澤田哲生氏の12/30付けアゴラ記事「スーパースウォームの脅威:軍事戦略を塗り替える技術革新」へのコメントです。
毒を以て毒を制するといいますけど、この手の電子技術を応用した兵器、特に電波を使うものには、電波で対応するのが最も簡単なのですね。これはすでに秘密でも何でもなく、ドローンを電波で撃ち落とす「ドローンガン」などというものが開発されております。https://wired.jp/2016/12/06/droneshield-dronegun/
今日の電子機器は、半導体回路を集積したLSIを用いているのですが、二つ以上のトランジスタを組み合わせますと、「寄生サイリスタ」というものが構成され、これに強い外来ノイズが加わると短絡が生じてしまう「ラッチアップ」という現象があります。
ラッチアップが生じると大電流が流れ、最悪の場合は素子を壊してしまいます。これを防ぐためには、ラッチアップを検出して電源を遮断し、改めて電源を再投入すればよいのですが、この間、電子機器は動作不能となり、ドローンなどでは墜落してしまう。
実はわが国は伝統的に、大電力マイクロ波を発生する技術に強く、太平洋戦争末期にはこれで東京上空に飛来するB29を撃墜しようなどということが本気で考えられ、大井川水系の水力発電で得た電力で電磁波を発生させる「Z研究」などというものが進められた。この技術は戦後米国に渡り、電子レンジとして生かされたとか。
今日も核融合用の加熱に用いる「ジャイロトロン」は世界に先駆けて製品化し、キヤノンの関連会社からは長さ3mほどで出力1MWのものが市販(!)されている。こんなもの売りだして大丈夫か、ちょっと心配になりますが、我が国がこれを利用しなくてどうする、という感じも致す次第です。https://etd.canon/ja/product/category/microwave/gyrotron.html
水素電子いっこ