黒坂岳央氏の1/5付けアゴラ記事「『人生という地獄』を楽しむ力」へのコメントです。
結構古い書物ですけど、1978年に「ゲームズマン―新しいビジネスエリート」という書物が出ております。このエントリーを読んで、この書物を思い出しました。内容が似ておりますので。
同書はビジネスマンを、他人は敵の「ジャングルファイター」、組織指向の「カンパニーマン」、職人的な「クラフトマン」、仕事をゲームのように楽しむ「ゲームズマン」に分類して、科学技術主導の今後の世界で成功するのはゲームズマンである、と述べるのですね。
実際問題、研究開発やソフトの開発、電子機器やプロセスの設計など、その実態はほとんどゲームと変わりないのですね。逆にドラクエなどのゲームも、よく考えれば仕事をしているのとそれほど変わりはない。で、どちらも没頭すれば、寝食を忘れて取り組んでしまう。まあ、ゲームに関しては、その手の経験がある方も多いと思います。
このエントリーに、「地獄は自分一人が味わっており、他人は極楽浄土にいると思い込んでいるのだ」という一文がありますけど、極楽浄土にいてそれが楽しいか、となりますと、これは、はなはだ疑問です。サクサク進むゲームなど、誰が楽しいと思うでしょうか。
地獄は、肉体的な苦痛は嫌ですけど(マゾじゃないから)、精神的なプレッシャーは大いに結構。そして、解くべき問題は、難しければ難しいほどやりがいがあるというもの。その道に他人も巻き込む呪文も、覚えておいて損はありません。つまり、「簡単、簡単!」。それで、その気になってくれればしめたもの。本当は難しいのですけどね。
game