永江一石氏の1/10付けアゴラ記事「日本の賃金はどうしてあがらないのか?」へのコメントです。
医療や介護に取られている労働人口が生産効率の高い業種に戻ることで日本経済は少しは息を吹き返すことでしょう。
この助言は、あまり効果的な解を提供しているとは言えません。「では、生産効率の高い業種ってなに?」との疑問にも同時に応えなくてはいけませんから。「それは工業です」が答えにならないことは、ご自分でも次のように書かれているからお分かりですよね。
民主党政権から安倍政権までずっと続いた円高で輸出しても利益が出ないので海外に工場はほとんど移転しました。少子化で労働者が確保できないということもあります。いまでは自動車は9割が海外生産です。
1970年代後半から80年代にかけて、技術力で先行する我が国の自動車産業は世界の自動車産業を凌駕し、これに壊滅的打撃を与えたものです。なぜそんなことが可能だったかといえば、1970年代の初頭に、自動車排ガスによる環境汚染とエネルギー価格の高騰が、世界に先駆けて、我が国で大問題になったからなのですね。我が国の自動車産業は、いち早くこれらの問題を解決した。だからその後の発展があったわけです。
そうであるなら、当時の資源環境問題のような、世界に先駆けた問題が今の日本にないか、と考えてみることも有意義であるわけで、その答えはこのエントリーにもすでに述べられている。つまり「少子高齢化」という問題ですね。そして同じ問題は、この先、韓国、中国をはじめ、多くの国々で深刻化することも予想されているのですね。
ならばこれを解決する、生産性の高い技術を開発すればよい。そしてその道も既にある程度は見えている。つまり、この手のサービス業は個々の状況に応じた対応が必要となる。そしてこれを自動化・機械化する技術も既に生まれつつある。つまり「AI」がこれなのですね。むろんこれはまだ完成してはいない。だからチャンスがある。豊かになりたいなら、そう考えなくてはいけません。
えい