中村祐輔氏の1/16付けアゴラ記事「『日本は中国より悪だ』にふざけるなだ!」へのコメントです。
たしかに、「米国から見れば」日本は中国に輪をかけた『悪』であることは間違いありません。普遍的に見ればそれを『強者』というのですが、それはあくまで「米国の立場」からみれば『悪』だ、ということですから、怒ってみても始まりません。
自己を中心に世界を見るのは、多くの人に共通した現象です。そうではない普遍的な思考にはそれなりの精神的成熟が必要であって、現実がそこまで至っていないことは、残念ながら事実なのですね。そして、トランプ大統領が就任すれば、この傾向はますます強まる。
そもそも米国にとって日本がなぜそれほどの『悪』かといえば、我が国が保有していた高度な製鉄技術を中国に教えたからなのですが、それは、1985年のプラザ合意以降の行き過ぎた円高により、日本国内の製鉄業が成り立たなくなったからなのですね。日本がダメなら海外に出る。あたりまえの話です。
今日、製鉄業以外のさまざまな産業も含めて強者となった中国は、世界にとってあまり好ましくない動きをしております。だからわが国の企業が中国以外に協業先を求めるのは、至極当然な話なのですね。それが米国企業であることは、米国にとって幸せなことではある。でもメンツの問題はあるわけで、メンツに拘ったら損なのだけど、人の感情はいかんともしがたい。
しかしこれを拒否すれば日本の製鉄業がどこに出口を求めるか。これを見通す知恵が果たして彼らにあるのかどうか、ここが少々疑わしい。中国がダメで、米国がダメなら、たぶん次はインドということになる。日本製鉄にしたところで、戦略的思考を全くしていないわけがないでしょう。つまり、プランBくらいとうの昔に考えて何かしていても不思議はないのですが、全く、ナイーブな人たちにはあきれるしかありません。
他の方のコメントに返信しました。
岡本 真行
まあまあ、このゴンカルベスさん、可愛いじゃないですか。
この人、発言の内容は日本蔑視ですけど、怒りながら言ってるでしょう、こういうふうに公の場で怒りながら何かを攻撃的に非難する場合は「心のなかで本当は逆だと思っている」ということだと思うのですよ。
(あるいは、相手を非難した内容は実は自分たちにこそ当てはまると内心で思ってしまっている)
その人の個人的な悪意や敵意を、特定の対象に剥き出しにして悪口が投げられる時、それは本人のバックボーンやルーツの根幹に関わる弱点を露呈している。
逆に底をつかれて一本取られるとその場で自我が崩壊するほどの弱点。そんな弱点を自らさらすとは。
まあトランプさんみたいに演技くさく悪口を言う人はそうでもないですが。ただし、そう思っていることを本人は気づいていない。無意識で自分で自分に、自分の一番見たくないことをマスクをかけて見ないように判断して実行しているんですね。
私の言ってることがわからない?
その場合は聞き流していただければいいです。本気の本気で、日本という国は悪だと確信的に、ある程度論理的に思っている人は、まっすぐ前を見て怒らず落ち着いて言うものです。
なにげなくこともなげに言うものです。そういう仕方でなされた発言こそ危険視するべきでしょう。
瀬尾 雄三
以前ちょくちょく米国出張していたころ、休日にホテルで朝寝をしながらテレビを見ていると、セーラームーンとトム&ジェリーのアニメを続けて放映している。
このトム&ジェリーというアニメ、ネズミのジェリーが悪さをすると、これを猫のトムがとことん追い回す。ジェリーは弱いけれど知恵があり、トムは強いけれど知恵がない。その結果、家じゅうのものを破壊して自分も痛い目に合う、という単純なアニメで、毎度毎度、同じパターンが繰り返されるのですね。
一方のセーラームーンは、非常に複雑なストーリーで、友達とのコミュニケーションがうまくいかないシチュエーションでは「あの人はなぜ心を開いてくれないのかしら」などと月野うさぎが言う。トム&ジェリーにはありえないセリフです。
で、米国人と議論していると、彼らの考え方はトムとジェリーのトムなのですね。貿易センタービルが破壊されると、これは戦争だなどと言い出し、犯人かどうかよくわからないイラク攻撃に踏み切るなど、ほとんどトムの行動なのですが、米国人に言わせれば「やられたらやり返す」これが当然というのが米国人の最大公約数なのですね。そのとき、相手かまわずというところが、ちょっと問題なのですが。
全く、子供のころからトム&ジェリーを見て育つとこういう人間になってしまう。でも、その頃はセーラームーンも放映しており、ひょっとすると未来は明るいのではないかと思ったこともありました。まあ、今にしてみれば全然進歩がなかった。困ったものです。
だめ