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トランプ文化大革命と国粋主義

篠田英朗氏の1/22付けアゴラ記事「トランプ大統領が就任演説で語った『常識の革命』」へのコメントです。


「常識の革命」は、社会文化面にも及ぶ。性別を男性と女性の二つに限定すること、ワクチン忌避を認めること、強い軍隊を持つこと、神への信仰を持つこと、そしてアメリカを特別な国と信じる「例外主義」を信奉すること、などが、トランプ大統領が「常識の革命」と呼ぶことだ。

このあたりは、少々危ないものがありますね。「アメリカを特別な国と信じる『例外主義』」って、普通の言葉で言えば『国粋主義』ですから。もう一つは『常識』=『文化』という定義も一部にはありまして、これを採用すれば『常識の革命』は『文化大革命』となりますね。

まあ、国力増強は毛主席の目指したところと一致しておりますし、議事堂に乱入した人たちに恩赦を与える点にも、毛主席の『造反有理』との類似が見られます。そしてこれらを危うく感じる理由は、文化大革命は、今日から顧みれば失敗でしたし、国粋主義も大方のところでは否定されている。

本来米国がとるべき道は、その特殊性を重視するアプローチではなく、むしろ大国であれば当然ともいうべき、万人に開かれた「普遍的アプローチ」であるはずです。具体的には、フェアネスを規範とする社会ルールであり、市場の自主性を生かした経済運営であり、合理性と理性を重視した学問研究と技術開発の推進なのですね。

少なくともこれまでのところの米国は、このやり方で成功してきた。それは就任演説するトランプ氏の周囲に立っていた富豪たちが見事に具現化していたのですね。彼らの間に立って、トランプ氏が全然別の方向を見ている。ここに少々奇異な感じを抱かざるを得ないのでした。

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