倉沢良弦氏の2/14付けアゴラ記事「選択的夫婦別姓問題の本質とは?」へのコメントです。
問題をごっちゃにして考えても、解決策は出てきません。戸籍の問題は、(1)公的書類に戸籍名も記載されるという問題(パスポート等)、(2)子供の名前をどうするかという問題、(3)家制度に基づく戸籍というやり方自体が受け入れられないという問題、の3つが主要な問題だと思います。
戸籍は、たしかに、イエという古臭い制度に立脚していますが、行政システムの中では、家族という関係を明確にしておく必要があります。これは、相続や、扶養義務、親権などの帰属を明確化する必要があるからなのですね。
だから、戸籍制度というシステム自体は認めた上で、これを単なる「血縁関係データベース」ととらえれば(3)の問題は実質的に片付きます。
(1)の問題は、あらゆる公的書類に通り名のみを記載するようにすればよい。これを戸籍と紐づけるためには、戸籍の個々人の欄に「通り名」の欄を設け、個々に選択された姓を記載すればよい。このやり方を、身分証明書などの私的書類にも拡大することはもちろんですが、通り名としてペンネームや芸名も認めるなども検討課題でしょう。
同じやり方を子供の姓にも適用すれば、(2)の問題も解決します。要は、行政手続きを、それ自体が何か神聖なものであるという考え方を捨て、事務手続きをいかに効率的に行うか、と考えれば宜しい。単純な話だと思うのですけどね。
解決