尾藤克之氏の2/12付けアゴラ記事「若手が辞める要因は、お金でも人間関係でもない」へのコメントです。
孫引き(ご紹介されている書籍『離職防止のプロが2000人に訊いてわかった! 若手が辞める「まさか」の理由井上洋市朗 著)秀和システム』(からの引用)で恐縮ですが、以下の部分が問題の本質ですね。
「結局、理由は何なのでしょうか? 今までインタビューを重ね、様々な企業の若手社員や人事の方々と対話する中で、若手社員が辞める理由として、①存在承認の不足、②貢献実感の不足、③成長予感の不足の3つがあることがわかりました」
これらに共通するメカニズムは、2022年に経産省が発表した「未来人材ビジョン」で述べられた「日本の高度人材は、国際比較において、やる気が最低」というショッキングな現実と、その原因としての「人材の流動性の乏しさ」から説明がつきそうです。https://www.meti.go.jp/press/2022/05/20220531001/20220531001-1.pdf
なにぶん、上の問題解決である、『存在承認』を高め、『貢献実感』を得るためには、個々人の実力を認めなくてはいけない。そうして初めて『成長予感』も感じることができる。つまり、入社年次で処遇がおおよそ定まる固定的人事制度から、実力次第で処遇を決め、人材が企業をまたいで流動する実力主義へと移行しなくてはいけませんので。
我が国の大企業に多い、『新卒一括採用』して『年功序列』で昇進させて『定年退職』まで同じ職場に努める『固定的人事制度』が問題なのですね。『離職防止のプロ』としてはなかなか難しいところですが、社内に実力を発揮する場を作り出す、ということが解になるのかもしれません。それにしても、経産省は、更に一歩進んでいるようにも思えます。『離職防止のプロ』も、そろそろ離職の頃合いかもしれません。
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