尾瀬原清冽氏の3/3付けアゴラ記事「『太陽任せ』よりもさらに頼りにならない『風任せ』」へのコメントです。
現在はまだ発電量全体に対する比率が小さいので火力発電で変動量を吸収していますが、風力発電の比率が上がってきたら、火力発電では吸収できなくなります。再生可能エネルギーだけでは電気の供給はできない、再エネを増やすほど火力発電が必要になることを理解していただきたいと思います。
再エネを増やすことと火力発電が必要になることは、必ずしもイコールではないのですね。その間に、蓄電という手段を置くこともできますので。この蓄電技術は、リチウム電池以外にも、種々検討されております。
以前、原発比率が高かった時代には、再エネとは逆に、原発の出力が一定であったことから、夜間電力が余るという問題がありました。これを解決する一つの手段は、揚水発電、つまり、電力が余っている時間帯に水を高い所に汲み上げておいて、電力が不足する時間帯には、この水を使って水力発電をする、というやり方です。
これは、一つの蓄電技術で、その他にも、電力の余る夜間にお湯を沸かしておいて、昼間にこれを使う、電気温水器などというものも使われた。これは、電力エネルギーを熱エネルギーに変えて蓄積する技術です。今日では、その他にも電気エネルギーを様々な形のエネルギーで蓄積する技術が検討されております。たとえば、水を電気分解して水素をつくっておいて、電力の不足する時間帯にこれを使って発電する。これなら、タンクを大きくしておけばいくらでも蓄電できます。
コストは当然問題となりますが、経験曲線効果というものがあり、やればやるほどコストは下がる。頭からダメと決めつけるのも、どうかと思います。そもそも、化石燃料が枯渇したら、出力一定の原発と出力が勝手に変動する自然エネルギーですべての電力を賄わなくてはいけないのですから、この手の技術は必須なのですね。未来の基幹技術を海外に抑えられないためには、我が国は率先してこれらの技術開発に取り組まなくてはいけません。
suiso