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株式市場と統計論の素敵な関係

岡本裕明氏の3/7付けアゴラ記事「目標株価って何?」へのコメントです。


金融工学の教えるところによれば(というか、大前提では)、株価の現在価値は市場でついている価格である、ということになっております。通常、企業の「フェアバリュー(適正価格)」といえば、「時価総額」を指します。まあ、特別な事情でこれがゆがめられている場合は、これを補正することもあるのでしょうけど。でもこれでは、アナリストの商売が上がったりですから、いろいろと予想をする。「割安で放置されている」とかなんとか言って株を奨めたりするのですね。で、その結果はどうかが興味のあるところです。

一つの実例としては、昔Yahoo ファイナンスに専門家の株価予想が出ていたのですが、その的中率も表示されていた。で、それがものの見事に的中率50%に集中している。これ、上がるか下がるかの予想が当たりか外れかの集計ですから、正解は二つに一つ。ランダムな予想で的中率50%になるわけです。これでは、その読みにどれほどの意味があったか、大いに疑問です。

ところが稀に、大外しを続けることで有名な方がおられました。世に「曲がり屋」と呼ばれる方で、どうすればこれほど外すことができるのかと思うくらいに次々と外しまくる。有名どころでは、高知県におられるIハヤさんあたりでしょうか。そして、このような方のご意見は、非常に貴重なものであって、要は逆に張ればよい。

もっとも、人々の習性と確率統計の仕組みを知れば、手堅く勝てるかもしれない道もある。一つは、アノマリーと呼ばれる、統計的に異常な現象で、大納会や大発会の株価が異常に上がる。まあ、「ご祝儀」という奴なのですが、これが海外ファンドの餌食になったりするのですね。彼らにしてみれば、別に正月元旦、たいしてめでたくもありませんから。バカみたいな話です。

その他、いろいろなテクニカル指標のゴールデンクロスで買い、デッドクロスで売る人たちが結構おられるのですが、移動平均の推移は多少予想ができるのですね。明日の株価はわからないけど5日前、25日前の株価はわかっているわけですから、これらが移動平均から抜けるというのは重要な情報なのですね。人々の明日の売り買いが事前に予想できれば、彼らに一歩先んじて動ける。ちょとだけ有利になるわけです。まあ、このくらいのことは、わかっている人はわかっているのだろうけど。

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