篠田英朗氏の3/29付けアゴラ記事「ゼレンスキー大統領の心理状態と戦争の行方」へのコメントです。
ゼレンスキー大統領は、四六時中、プーチン大統領について語っているような印象がある。いつもプーチン大統領がいかに邪悪な人間であるかということを、語り続けている。そして自分の存在を、その邪悪の象徴であるプーチン大統領の対極に位置する人物として、描写する。
プーチン大統領は、ゼレンスキー大統領について、あまり言及しない。するとすれば、「キエフのネオナチ」のような侮蔑的表現で政府関係者を集合的に扱ったうえで、その首領がゼレンスキー大統領である、という位置づけをする。
これは面白い対比ですね。でも、このような違いが出るのは、ある意味、あたり前の話です。プーチン大統領にしてみれば、ウクライナ侵攻など、軽い軍事作戦であり、ゼレンスキー大統領など道端のありんこのような存在。一方のゼレンスキー大統領にしてみれば、ロシア軍は侵略者であり、その親玉のプーチン大統領は悪の権化なのですね。
実際問題として、ロシアのウクライナ侵攻は、短時間のうちにキーウを落として完了していても、何の不思議もありませんでした。にもかかわらず、ウクライナが予想外に善戦した。だからこれほど長い戦争になってしまったのですね。
これは、ロシアにとってはとんでもない計算違いであったのですが、ロシアの脅威を常に意識していたヨーロッパ各国にしてみれば、思わぬ幸運が舞い込んできた。そもそもNATOの仮想している敵国はロシアであって、米国にしても事情は同じだったはずなのですね。この戦争によってロシアの弱体化がなれば、西側諸国にとって大きな意味がある。そこのところをトランプ氏が理解していないようなのが、少々解せないのだが。
なお、プーチン大統領はそろそろ死ぬというゼレンスキー大統領の言には、それなりの意味がある。プーチン氏は72歳とさほどの歳でもないのですが、ロシア人の平均寿命は60代と短命なのですね。だから、日本人の80代に相当すると言っても良さそうです。これは、ウォッカのがぶ飲みなどがその理由とされておりますけど、プーチン氏は禁酒禁煙。まあ、ストレスは強いはずなので、どうなるかは、神のみぞ知る、なのですが。
ウクライナがんばれ