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どちらに動くか、ドル円の行方

アゴラ編集部の4/4付けアゴラ記事「ドル円が急激に下落し146円割れも長期的にはドル高に転じるか?」へのコメントです。


今回のドル安は、トランプ氏の思惑通りかもしれませんが、それによってアメリカが豊かになるとは限りません。むしろ長期的には、貿易赤字の縮小などを通じて、ドル高に転じる可能性があります。

米国がグレイトになるという意味は、米国の産業が力を増して世界の競争相手を抑え、大いに外貨を稼ぐという意味で、そうなればドル高になるのがあたりまえ。80年代の日本のような話ですね。輸入品に関税を掛ければ、たしかに、米国内での米国産業は競争力を増すのですが、それが世界で競争相手に勝てるかといえばそんなことにはならない。むしろ、温室育ちで弱体化するのがお約束でもあります。

でも、翻って考えれば、米国はすでにグレイトではあった。米国以外の国から見れば、GAFAに代表される情報産業で急速な経済成長を果たしつつあった米国は、うらやましい限りだったのですね。その結果が、ここ数年来のドル高だったはずだし、日本の失われた30年だって、米国にしてやられた結果という側面もある。なぜここで、既に競争力を失った、鉄鋼や自動車を中心に米国経済を考えなくてはいけないのか、そこが少々理解に苦しむところ(ぶっちゃけ、愚かにみえる点)ではあります。

教科書的には、規制緩和で国内経済は成長し、自由貿易で世界経済は発展する。そんなことは安土桃山時代からわかりきったこと。近年の世界もTPPをはじめとする自由貿易協定で経済発展を狙っている。米国は経済的な強者ではありますが、世界GDPの1/4程度を占めるに過ぎないのですね。TPPにヨーロッパを加えた自由貿易圏と孤立した米国経済の競争となった時、何れが今後成長するか、この先は、そういう問題になっていくのではないでしょうか。

まあ、トランプ氏の見立てが正しければ、この先米国経済が発展し、ドル高になるはず。一方の相場師たちは、米国経済の衰退を予想してドル安と読んでいる。さて、どちらが勝ちますか、なんとなく、結果が見えているような気がするのは、私だけでしょうか。

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