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そもそも米国の抱える問題は?

篠田英朗氏の4/20付けアゴラ記事「トランプ大統領が交渉で示した態度をどう受け止めるか」へのコメントです。


> トランプ大統領は、とにかく何でもいいので、貿易赤字と財政赤字を減らす努力に協力してほしい、と言っている。

これを他国にお願いするのもどうかと思いますが、言いたい気持ちはわからなくはない。誰も面倒なことはしたくないのですね。財政赤字に関しては、米政府がそういう予算を組んだからそうなっているとしか、言いようがない。財政赤字を減らすには、増税により収入を増やし、政府組織を縮小、効率化して出費を減らすこと。後者はDOGEで取り組んでいるわけですから、あとは消費税を(州の税金ではなく)連邦政府の税金として導入すればよい。

防衛に関しては、たしかに米国が世界の安全を保障するという行き方には無理があります。これを、各国に駐留経費の負担を求めたところで、さして助けになるわけもなく、この先は、各国政府の独自の防衛努力に期待するしかないでしょう。第二次大戦直後はともかく、今は、日本もヨーロッパも、米国と肩を並べる程度には実力がついておりますので。

貿易赤字に関しては、GAFA主導で絶好調、GDPも右肩上がりの米国経済が、何故に貿易赤字になるかが謎なのですが、実のところでは、サービス収支の黒字以上に貿易収支の赤字が拡大している。つまり、米国は多くの富を海外から得ている、ということなのですね。たしかに家計債務はリーマンショック後の減少から増加に転じてはおりますが、破綻が生じているわけでもありません。

これに対する一つの説明は株価の上昇による資産効果というもので、リーマンショック後の2010年頃から現在まで、S&P500で5倍程度、NASDAC100に至っては15倍程度の上昇を示しているのですね。米国人の多くは株式投資も行っており、資産が急増すればそりゃ消費も増える。中国製品も大量に購入している、というわけでしょう。これに最も有効な手は、金利を上げて景気を冷やすことであるように思えるけれど、まあ、パウエルさんも似たようなことを考えているのでしょうが、さて、トランプ氏の主張する関税が効果がないわけでもなく、何とも言いようのない所ではあります。

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