アゴラ編集部の5/25付けアゴラ記事「トランプ大統領が中国に対抗し原発推進を急加速:東電は再建計画が大迷走」へのコメントです。
一方、日本では東京電力が再建計画の見直しを先送りし、経営が厳しさを増しています。柏崎刈羽原発の再稼働が進まず、巨額の事故処理費と電力小売り競争により資金繰りが悪化しています。地元の理解も得られず、政府の支援があっても抜本的な打開策は見えていないようです。
柏崎は東京電力にとっての生命線ともいえる事業所であるにもかかわらず、過去においては『ずさん』のオンパレードで、ガバナンスに問題があったことは間違いありません。
この手の問題は、モラル(倫理・道徳)の問題ではありますが、その背景にはモラール(士気)の低下があり、「俺たちは見捨てられている」といった意識を抱く人が多かったのではないかと推察されます。しかし現実の柏崎は東電の生命線であって「見捨てる」などということはあり得ない。そこに存在したのはコミュニケーションの断絶、一体感の不足であり、これに対する最も効果的な対応は「近接性の向上」であるわけですね。
小林善光氏がこの問題に取り組んだ時真っ先に行ったのは本社機能の相当部分を柏崎に移動することだったのですが、これが十分に機能しなかったことがこの問題が今に尾を曳く背景にあったのでしょう。だから対応は、本社機能を東京に戻すことではなく、更に内部に入り込むこと。柏崎事業所の組織内部に本社・研究所の人間を配置するようなことをしていかないと解決できないのではないかと思います。
柏崎の正常運転は、東電の経営問題であるだけでなく、日本のエネルギー供給にも必要です。また一方で、ガバナンスやモラールに問題を抱えたままで原発の運転がなされるようなことがありますと、安全上の問題もないとは言えない。ここは早急に改善が必要だし、それは東電が周囲にお願いするような問題ではなく、自らが内部を改革して解決していく問題であるように、私には思われる次第です。
水素がんばってね🎵