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ソーラーセルで逆転のチャンス

アゴラ編集部の5/27付けアゴラ記事「スペイン大停電は中国製太陽光パネルのせい?:武藤経産相『懸念生じてから対応』」へのコメントです。


ソーラーセルの分野で、日本はかつては世界のリーダー的立場にありました。資源エネルギー庁が昨年5月に出したレポートによれば、以下のようになっておりました。https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/perovskite_solar_cell/pdf/001_02_00.pdf

我が国は、1973年のオイルショックを契機に、サンシャイン計画を皮切りに、太陽光パネルの技術開発を進め、2000年頃には、世界シェアの50%に至った。2005年以降、中国等の海外勢に押され、日・米・独勢は一斉にシェアを落とし、日本のシェアは直近1%未満となっている。

わが国のソーラーセルビジネスが中国に敗れたことに関しては、反省すべき点もあるように思われます。もちろん、円高が我が国の電機産業を大いに傷つけたこともありますし、環境規制の緩い中国がこの手の産業に有利であったこともあるでしょう。だけどわが国がソーラーセルに冷淡であったことも、その原因の一つであったように、私には思われます。

もちろん、ソーラーセルが日本社会に不要であるなら、こんな技術は無視してもよい。しかし、原発にせよ、核融合にせよ、今後主流となるはずの発電技術は、燃費が安くて設備費用が高くつくため、連続運転が有利で、昼間に増大し夜間に減少する電力需給に対応するには、昼間に集中的に発電するソーラーセルは好都合な存在であるわけですね。

幸い、ソーラーセルの技術はここにきて世代交代する可能性が出ております。つまり、シリコンからペロブスカイトへと変わるのではないかとみられているのですね(最初に引用したレポートがこの話題を扱っております。)これは一つのチャンス、中国からソーラーパネルビジネスを奪うくらいのことをやってのけなくてはいけません。それは、国家の安全にもかかわること。国を挙げての戦略的テーマとして取り組むのが良いのではないでしょうか。

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