アゴラ編集部の6/8付けアゴラ記事「尾身茂氏が『若い人はワクチンを打たなくてもいいと言った』と発言」へのコメントです。
この件は、厚労省によるデータねつ造(あるいはデータ処理の錯誤)ということで、すでに決着済みだと思いますが、新たな問題が明らかになったということでしょうか。アゴラ記事へのリンクは以下の通りです。https://agora-web.jp/archives/220518041211.html (ブログへのリンクはこちらです)
なお、上の記事では、ワクチンを打つとコロナに感染しやすい、という可能性も指摘されておりますが、コロナに感染しやすい人がワクチンを打つ可能性も高いことから、これは単なる「相関関係」であって「因果関係」とは言えないと見なすのが妥当だと思います。
ワクチンの功罪に関しては、環境問題と同様、宗教論争的側面も多く、また官僚の無謬主義と相まって、何が事実であるのか曖昧模糊となってしまうという問題があります。また、この因果関係は統計的に立証するしかないのですが、これが技術的に難しいという問題もあり、なかなか結論が得られないという背景もあるのですね。
コロナワクチンの問題に関しする私の理解は、(1) 重篤化防止効果はあるが、感染防止効果はほとんどない、(2) ワクチンには副作用があるが、全体としては重篤化防止効果がより大きくワクチンには効果があると言える、(3) 感染しやすい人がワクチンを打つ傾向があり、ワクチン接種とコロナ感染の間には正の相関関係がある、と言ったところです。
若年層のワクチン接種に関しては、この層が元々重篤化しにくかったことから、あまり意味がないというのが実際のところでしょう。ただ、若年層でも重篤化する確率がゼロではなく、呼吸器への障害など後遺症が残ることから、「高齢者のみへの接種は不公平だ」といった声もあったことは事実です。また、接種数で成績評価するといったおかしな意識が厚労省の勇み足を招いたということがあったのかもしれません。このあたりは、何が事実であるのか、よくわからないところなのですが。
他の方のコメントに返信を入れておきました。なお、藤沢氏のエントリーに対する当時の私のコメントはこちらです。
綾瀬川 はるか
当時、尾身さんの発言をつぶさに聞いていましたが、変節はいくつかありました。最初「人の移動と感染拡大には強い因果関係はない」と発言して、GoToトラベルが始まりました。なのに尾身さんが前言を撤回し「県外から人は来るな」という風潮になりました。コロナワクチンに関しては「感染予防効果がある」という触れ込みだったのに、いつのまにか「予防効果はない」という話になりました。尾身さんのなかで、情報の混乱はあったと思います。
瀬尾 雄三
GoToトラベルに関しては、尾身氏だけでなく、日本中が混乱しておりました。安倍総理vs小池都知事という、頂上決戦ともいうべき対立もありました。かつてBlogosに転載された藤沢氏のブログへのリンクを紹介しておきますね。http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/52175583.html
基本的に、コロナを巡る一連の動きは、ウイルス自体の性質もころころと変わり、国内の様々な集団の利害関係にも翻弄され、これに対応する政策も一貫性のないものとなってしまいました。
しかし、別の言葉で言えば、これは「臨機応変」ともいえるわけで、固定概念で突っ走るよりもまともな対応ができていたのかもしれません。
まあ、あとになれば、いろいろな批判を浴びても仕方がないのですが、総体としてはよくやったものだと思いますよ。諸外国に比べて日本のコロナによる人的被害は軽微で済みましたから。
まあ、その分、経済的な損失(特に財政赤字)は甚大だったのですが。
がんばれワクチン