黒坂岳央市の6/24付けアゴラ記事「AIの台頭で仕事は『贅沢品』になる」へのコメントです。
以前もご紹介しましたけど、2022年5月末に経産省から発表された「未来人材ビジョン」でも、中スキル領域の業務は減少に向かい、低スキルと高スキルの業務にシフトするとの分析結果が述べられておりました。:https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/mirai_jinzai/pdf/20220531_1.pdf
2022年は、まだAIの利用はさほど進んではいなかったのですが、情報技術は大いに成熟していた時代であったのですね。これがAIが人を置き換える時代になりますと、ホウレンソウみたいなことをやっている中スキルのホワイトカラーは真っ先に仕事を失う。量産型の社員は量産型のAIに置き換えられてしまいます。
この時代を生きる道は二つ。一つはハイスキルの要求される職種に就くことで、その前提はハイスキルの持ち主になること。AIを使いこなすことは必須といえるでしょうけど、それ以前の情報リテラシーもきちんとものにしておかなくてはいけない。これは、対象を数値的に扱い、モデル化し、統計的に評価できること。当然AIはそういうことをやるのですが、これを使いこなすサイドが何をやっているかわからないと話になりません。
もう一つの生きる道は、ロースキルで十分な業務に就くこと。これは、医療、介護の非専門的領域(つまり、医者でなくても務まる職種)や、サービス業(いわゆる接客業)、その他社会的になくてはならない、いわゆるエッセンシャルワークがあります。これらは、人ならではの細やかな気配りが必要である反面、生産性が低く、給与も低いのが問題です。
AIの発達は、予想よりも早かったかもしれませんけど、こういう時代が来ることは、早くからわかっていたこと。その中で中スキルのホワイトカラーを量産し続けたことは、犯罪的ですらある。ここは、一刻も早く、高等教育を高度な技術職中心へと方向転換しなくてはいけません。さもなくば、無用の人材という、犠牲者の山を築くだけ。責任のある人たちは、これを自覚しなくてはいけません。
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