コンテンツへスキップ

昨年の「8月暴落」の正体は?

濱田康行氏の6/26付けアゴラ記事「名もなき暴落から1年、日本市場を襲った『8月暴落』を再考する」へのコメントです。


昨年8月の東京市場の急落は、日銀の利上げと追加利上げもあることを示唆する予想外の口先介入が、市場に驚きを与えたことが原因でした。この背景には、自民党の総裁選が迫っており、岸田氏以外の各候補者は、利上げをその政策として掲げていたことがあったように、私には思え、その旨のコメントをアゴラにもつけたものです。https://agora-web.jp/archives/240809205501.html (ブログ

つまり、利上げは、円高とこれによる物価下落を引き起こして、国民生活を楽にする一方で、産業界にダメージを与え税収が減少するほか、日銀当座預金の付利の増加などにより、政府の財政を厳しくする。だから、利上げの害を印象付けるため、極端な動きを日銀にさせて、ショックが現れたらすぐにこれを否定してみせた、というわけ。

これが事実であるかどうかはわかりませんが、この推測が当たっていて、すべては岸田氏の作戦であったとしたら、この作戦は大成功でした。つまり、他の総裁選候補たちの利上げの主張はトーンダウンしましたし、評論家たちの同種主張も強さを失ったように見えました。

当時の岸田氏の経済政策は、アベノミクスを継承するもので、アベノミクスが不完全に終わった構造改革を完成させることが課題ではあったのですが、岸田氏の策は「無策の策」、日本経済の弱さを逆手に取った「円安放置:ビナインネグレクト」で1ドル160円台の円安を実現し、輸出企業の収益は大幅に改善しておりました。

これが続いて、強い日本ができれば大したものだったのですが、なかなかうまくはいかないものです。結局のところ、日本経済の強化は、正攻法でやるしかない。規制の緩和、雇用慣行の近代化、科学技術の振興、などなどですね。さて、石破のミクスでこれができますかどうか。それともこの先、小泉クスに移行するのでしょうか? 興味津々ではあります。

1 thoughts on “昨年の「8月暴落」の正体は?

コメントは停止中です。