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日本の労働力需要はなぜ少ない

間瀬茂氏の6/27付けアゴラ記事「未活用労働力の活用による日本経済の再生」へのコメントです。


足りないのは需要である。今後十分な需要を確保できれば、ワークシェアリングの解消を通じて労働供給が実質的に増加し、成長軌道への回帰が可能となる。これが日本経済再生の「第一段階」となる。

労働力の需要が足りない、つまりは、日本国内には儲かる仕事がない、ということですね。これには大きく分けて三つの原因があります。

第一には、民主党政権時代に1ドル80円を割る行き過ぎた円高が続き国内の工場が海外に移転する「空洞化」が起こってしまったこと。行き過ぎた円高は修正されましたが、ひとたび海外に出た工場は、多少の円安では戻ってきません。国内の工場がなくなれば、工場労働という、比較的高賃金の得られる仕事もなくなってしまいます。

第二には、1990年代の情報革命に我が国はキャッチアップできていないこと。近年はこれに加えてAIが実用化されるようになりましたが、果たして企業がこれをきちんと使えるかどうかが問題なのですね。今日の業務を采配している人たちが、新しい技術環境に適応できるかとなりますと、はなはだ心もとないのが実情です。

第三に、我が国に新しい産業の芽が育たないこと。先日もコメントしましたが、2005年の堀江氏の試みはついえたのですが、これに似た試みは2007年以降になされ、その代表的なNetflixの株式時価総額はフジメディアホールディングスの100倍になっている。スイスは金融ビジネスで高いGDPを得ているのですが、「安ければ買うし高ければ売るのは当たり前」、との村上被告の言葉に対する裁判官の言葉「このような徹底した利益至上主義には慄然とせざるを得ない」をみれば、金融立国など日本には絶望的。我が国は、このような部分も、改めていかなくてはいけません。

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