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赤沢氏の『言訳としての努力』

アゴラ編集部の7/3付けアゴラ記事「『押しかけ成功率100%』を誇る赤沢大臣、日米関税協議は崖っぷちに」へのコメントです。


赤沢亮正経済再生担当大臣は、トランプ米政権との関税交渉のため、4月以降7度にわたり訪米してきました。しかし、記者会見では交渉の不透明さをにじませましたが、「羽田を飛び立つ時点で交渉日程が未定なことが多かった」と明かし、渡米は一方的な「押しかけ」だったことが明らかとなり、関係者の間では絶望的な空気が流れました。

これ、『言訳としての努力』ですね。ダメなセールスマンが「足で稼ぐ」、つまり、押しかけセールスの数をこなし、集めた名刺の数で努力を誇る。でも、実際には全然売れていない、という奴です。

山本七平氏の著「日本はなぜ敗れるのか」には、面白い一節があります。つまり、南方での負け戦に対応すべく兵員を次々と送り込むのですが、バシー海峡で待ち受ける米潜水艦の餌食となってしまう。でも、何の反省も何の策もなく、同じことを繰り返し続けたのですね。赤沢大臣、似たようなことをやっておいでです。

バシー海峡ですべての船舶を喪失し、何十万という兵員を海底に沈め終わったとき、軍の首脳はやはり言ったであろう。「やるだけのことはやった」と。

これらの言葉の中には「あらゆる方法を探究し、可能な方法論のすべてを試みた」という意味はない。ただ一方法を一方向に、極限まで繰り返し、その繰り返しのための損害の量と、その損害を克服するために投じつづけた量と、それを投ずるために払った犠牲に自己満足し、それで力を出し切ったとして自己を正当化しているということだけであろう

ダメだ、こりゃ。

1 thoughts on “赤沢氏の『言訳としての努力』

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