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商法を怒るなら他の環境に移れ

中村仁氏の7/28付けアゴラ記事「新型パソコンへの買い替えを誘導する商法に怒り
」へのコメントです。


Windowsを使い続けることの弊害、ということかもしれませんね。Linuxという対抗手段があるにもかかわらず、です。

Windowsを使っていれば、あまり考えることなく、そこそこの費用負担で、便利な環境が得られる。でもWindowsを使う人が多いと、Linuxを使っていた人もWindowsに合わせざるを得ず、Windowsを使う羽目になる。Linuxのユーザ環境を改善する努力が低下してしまいます。

私も昔はLinuxを使っていたのですが、ソフトウエアを供給するビジネスを考えた時、マーケットの大きさから、Linuxでは商売にならないとあきらめたことがあります。また、メールでファイル交換をする場合も、パワーポイントやワードやエクセルなど、マイクロソフトオフィスのファイルを交換するのが主流となっており、なかなか他のOSを使うことが難しい。

この辺りは、公の組織がファイルを提示する際には、文書ならプレーンテキスト、pdf、htmlなど、表データならcsv(コンマで区切られた値のテキストファイル)などの汎用的に扱えるファイル形式とすることを義務付けるのが妥当だと思います。

まあ、民間企業が内部的に扱う際にはどういう形式を用いることも自由ですが、これを納入業者などに義務付ける場合は優越的地位の乱用として処罰するのが妥当かもしれません。まあ、そういった行政サイドの規制も必要でしょうけど、基本は自由競争。Windowsが気に食わないなら、これ以外のコンピュータ環境を目指すことが大事だと思います。それがリベラルという思想じゃないでしょうか。


(以下はブログ限定)

私は、修士論文も博士論文もLinux上で作成し、LaTexと呼ばれるフリーの清書ソフトで出力しました。これらの論文は、固定ページ「悲しきネット」に置いてあります。

図をどのように書くかは、考えどころなのですが、PostScriptというテキストファイルで図形を表す標準規格が存在し、LaTexはこの形式の図を文書中に取り込めますことから、PostScriptの図形ファイルを簡単に描画する関数群を作成し、これを用いて図を作成しました。

これらの関数と、これを利用したソフトウエアは、いずれも修士論文にソースリストを置いております。作画関数は68頁です。

このソフト、コメントが全然入っていないのですが、昔のCalcompプロッターで描画する命令と同じ感覚で使えるようにしています。つまり、「plots(ファイル名、左、下、右、上の各座標)」関数で描画ファイルを開き、「width(ファイルポインタ、線幅)」関数で線幅を指定、「plot(ファイルポインタ、ペンの向かう座標XとY、ペンのアップダウン指示)」関数でペンを動かす、そして、「plote(ファイルポインタ)」でファイルを閉じる、というわけです。また、文字列を出力するためのpsputs関数と、これを用いて整数や浮動小数点数を出力するためのpsputi, psputd関数も用意しております。

これらの描画関数の利用例は、前後に置きました論文で使用したプログラムのソースコードを見ていただければわかると思います。また、出力結果は論文を見ていただくのが一番です。パワーポイントなどに比べると、絵を描く目的では使いにくいのですが、計算結果をグラフの形に出力する目的では、エクセルなどよりも容易で自由度も高いという特徴がありました。

Calcompは、大昔のメインフレームコンピュータで描画するためのペンプロッターで、恐ろしく遅く、かつうるさい装置ですが、絵を描く手段はこれくらいしかなかったため、広く用いられておりました。その後マイクロプロセッサが利用されるようになりますと、BASICインタープリタが利用されるようになったのですが、この描画関数もplot命令を組み合わせて簡単に実現できました。

ポストスクリプトファイルを作る関数群のほか、XLib経由でX-Windowに描画する関数群も、呼び出し方法が類似した関数群として作成しておりました。つまり、画面で種々検討したのち、描画関数を入れ替えるだけで紙に出力したり文書に取り込めるようになる。なかなか便利な作業環境ではありました。

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