池田信夫氏の8/17付けアゴラ記事「法人税を廃止して『法人売上税』20%に」へのコメントです。
法人減税は、良いアイデアだと思います。基本的に、法人税を下げれば、国内の生産活動が活発化しますので、法人税を払う企業以外からの税収増が期待でき、トータルの税収はそれほど下がらないはずで、むしろ増収になる可能性もあります。つまり、国内の工場からは、そこで働く人の所得税が入ってきますし、その人たちの消費に対して消費税もいただける。固定資産税も入ってくるし、納入業者の売り上げが増えればそちらからも同じように税収増となる。
でも、消費税を売上税にするのはどうでしょうか。消費税だから、国内消費に課税して、輸出には課税しない(それまでの課税分も還付する)ことが可能となります。法人の売上税という名目だと(付加価値税もそうですが)輸出品にも課税することが合理的で、国際競争力がダウンしてしまいます。
国際競争力を増すためには、消費税を高めて企業減税するのは良いアイデアです。でもこの消費税、輸出に対して課税しては効果が薄くなる。消費税に対して当初トランプ氏が「非関税障壁だ」などと言っておられましたが、この点はトランプ氏が正しい。ならば、米国も連邦消費税を大いにかければよいだけの話なのですが。
配当の二重課税に関しては、個人の受取配当(や利息)を無税にすることは国民感情の面で困難と思われます。「金持ち優遇」との非難に対して返す言葉がないのですね。ならば、企業側の会計において、支払った配当金を損金算入すればよい。つまり、必要経費として認め、利益から差し引くのですね。
こうすれば、企業は配当を増すことで節税できますので、増配しようという動機が生まれる。企業の節税分は、受け取った人が課税されるので、政府の丸損というわけではありません。配当が増えれば利回りが上がり、株価も上がるはずで、景気がよくなり消費も増える。内需拡大ということですね。なぜさっさとそうしないのか、これは少々不思議な点ではあります。