尾瀬原清冽氏の8/23付けアゴラ記事「2024年11月9日その時何が起きたのか?四国電力大停電を解析する」へのコメントです。
世界は高圧直流送電の技術をものにしております。
直流なら、海底ケーブルでも送電可能で、ヨーロッパでは地中海や北海に何本もの送電ケーブルが張り巡らされているのですね。
電力会社が新しい技術の採用に消極的だと、電力設備メーカの技術も進歩せず、世界に後れを取ってしまいます。
電力会社も、総原価主義に安住するのではなく、常に電力コストを切り下げるべく、最新の技術に果敢に取り組んでいただきたいものです。
ほかの方のコメントに返信を入れておきました。
坂野 久登
専門家の方に質問です。
https://www.tdgc.jp/.../d84f725789d911c2ac874d6e495685d49...
これによりますと交流による二箇所の連系もあるように見えますがどうなんでしょう?
瀬尾 雄三
距離ゼロの直流送電というのもありますので、おそらくこれが挿入されているのでしょう。
このエントリーにありますように、我が国も直流送電をしていないわけではない。技術的に必要な個所では、直流送電をしている。でも、積極的な利用をしない。それが少々不可解な点なのですね。
悪く解釈すれば、太陽光発電や風力発電を悪者にしておきたいが故のこと、などと邪推してしまいます。直流高圧送電は、実は、変動の激しいこれら自然エネルギーにも好適な技術ですから。
高圧直流送電には、いろいろな長所があります。尾瀬原氏が時々問題とされている系統連系のトラブルに強いというのが一つなのですが、特に長距離送電で損失が少なく、海底送電に強い特徴があり、島国日本では特にものにしたい技術なのですね。
直流送電の短所は、交流電力への変換にインバータが必要で、短距離の場合はこの分のコストがマイナスになること。ただ、高電圧大電力インバータの技術は、SiC半導体など、急激に進歩しており、コストも低下する方向ですから、この短所は縮小する方向。時代のトレンドは、交流送電から直流送電なのですね。この技術、我が国も積極的に取り入れなくてはいけません。
atsu