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イノベーションでリスクを軽減

岡本裕明氏の10/24付アゴラ記事「ビジネスを震撼させる外交問題」へのコメントです。


重要部品の中国依存度が高いことは、サプライチェーンリスクとして、従来から認識されておりました。特に、中国が台湾進攻に踏み切りこれに経済制裁で対抗した場合に、重要部品が手に入らなくなる。これは以前から予想された問題だったのですね。

ネクスペリア製の半導体は、最先端ではない汎用型ということで、そうであるならわが国でも作ることはさほど困難ではないはず。この手の製品ラインを準備することは、利益よりもリスク対応という意味合いで進めるのが良いのではないでしょうか。自動車メーカにも、国内半導体ラインを保護する購買戦略を考えていただきたいものです。

原油に関しては、供給が断たれた際の代替は非常に難しい。さしあたり、米国やカナダのシェールオイルがありますが、重質油となるとガソリンの収量は少ないはず。一方、石炭は比較的豊富にありますから、これを石油製品代替原料とする技術を実用化したいところです。

一つの可能性は、将来の水素社会で、水素を利用してメタンやエタノールを製造する手法が検討されているのですが、この技術を、石炭からのエタノール製造に利用できれば面白い。コークスと水から作られる水性ガスは、水素と一酸化炭素の混合物なのですね。エタノールはガソリン代替の自動車燃料になりますし、エチレンの原料にもなる。エタノールは常温で液体ですから、原油と同様、大型タンカーで安価な長距離輸送もできるのですね。

日本国内産業の不利な点として、エネルギーが高価な点が挙げられ、特に輸送コストが高い天然ガスでこのディスアドバンテージは大きい。天然ガスを石炭とともにエタノールにして安価に運搬することができますと、この弱みも多少カバーできるかもしれません。イノベーションが期待されるテーマは、結構たくさんあるのですね。

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