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ニューロンの活動し過ぎもダメ

島青志氏(シェアーズカフェ)の10/27付けアゴラ記事「AIの数百万倍も優秀な私たちの脳。活用のコツは考えすぎないこと?」へのコメントです。


興味深い御説ですけど、前半は必ずしも正しくはない。人の脳内にありますニューロンは、10%程度しか活動しておらず、残り90%はスリープ状態にあります。でもこれが正常な状態で、非常に多くのニューロンが発火した状態は、病的状態の一つであります「てんかんの発作」に相当するとのことです。

実はコミュニケーションの場は、脳内のニューラルネットの活動と類似しており、個々の参加者がニューロンに相当します。そして、受けた刺激が閾値を超えると発火状態となる、独自のメッセージを送出するのですね。で、これを他の参加者が受けて同様の行動を行うわけです。

ここで、大多数の参加者がぜひとも発信しなくては、と感じるメッセージが投じられますと、メッセージの量が爆発的に増大し、正常なコミュニケーションができなくなる。いわゆる「炎上」と呼ばれる状態に至るのですね。

国会のヤジも、並外れて低質な議員のみが発している間は問題が少ないのですが、これを大多数の議員が行うようになると議論の場が崩壊してしまう。日本国憲法が定める国民の政治参加の場が機能しなくなってしまいます。このような由々しき事態を避けるためには、問題が小さいうちから手を打った方が良いのですね。

後半につきましては、カントのいう二つの知性、論理的言語的思考能力である「理性」と直感的ひらめきを生じる知的能力である「悟性」のうち、後者が重要だということでしょう。悟性を発揮させるためには理性は邪魔になる。思い込みがあってはひらめきは出てこない。カントの主著「純粋理性批判」はそうした理性を批判していると考えておいたら良いのではないかな? これ、なかなかに、理解を超越した書物なのですが。

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