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ロシアのたどる、いつか来た道

長谷川良氏の10/31付アゴラ記事「トランプ大統領の『核実験再開指示』の波紋」へのコメントです。


西側の核専門家は「トランプ氏の核実験再開宣言はロシアや中国へのプレゼントとなる」という。米国が核実験を実施すれば、両国は国際社会から大きな批判を受けずに堂々と核実験できるからだ。特に、中国にとって核実験の回数が米国やロシアと比較して圧倒的に少ない。核実験を増やすことで核兵器の性能を向上したいはずだ。

これは逆だと思いますよ。トランプ氏は、ロシアと中国を破滅させるために、軍拡競争へと引きずり込もうとしている。何分、ソヴィエト連邦崩壊の一つの原因は、ソヴィエト経済が軍拡競争のコスト負担に耐え切れなくなったことだったのですね。

現在のロシア経済は、ウクライナとの戦争経費がかさんで、危機的状況にある。本来なら、軍拡競争などやっておれないはずでした。にもかかわらず、核の威嚇をせんと、新兵器を見せつける。反ロシア勢力にしてみれば、格好のチャンスです。このような見方は、私だけのことではなく、ポーランドの外相も、同様の趣旨を、この6月に語られておりました。https://www.afpbb.com/articles/-/3585741

中国も似たような状況で、いつ経済が危機的状況を迎えるかわかったものではない。そして、ロシアと中国が経済危機を迎えれば、北朝鮮も同時に経済危機を迎える。これらの展開は、一つ間違えば核戦争になるリスクもないではないのですが、メインシナリオは、これらの国家が平和主義に転じ、経済に注力するという方向でしょう。西側にしてもこれはベストの方向です。

それにしても、日本と韓国に原子力潜水艦の保有を認めるとは、トランプ氏もなかなかやります。この両国が、ロシア・中国・北朝鮮の原子力潜水艦位置を把握しておれば、米国の核戦略上も得るものが大きい。ロシア・中国がこれに対抗しようと思うと、余計な出費を招くことになる。トランプ氏、そうそうバカではありません。

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