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トリプル安か、偶然の一致か?

アゴラ編集部の11/18付けアゴラ記事「インフレ下の積極財政で株安・債券安・円安のトリプル安に」へのコメントです。


18日の東京市場は「株安・債券安・円安」の典型的なトリプル安に見舞われた。政府が進める17兆円規模の補正予算に対する財政悪化懸念が一気に市場を揺らし、金利と為替、株価が同時に動く“日本売り”の流れが鮮明になっている。

このトリプル安、一国経済の先行きに対する懸念から生じる場合が多いのですが、今回のトリプル安は、それぞれ別の要因がありそうです。

まず最初の「株安」ですが、その最大の理由はAI関連株とビットコインを主導とする米国株の下落にありました。我が国でも先ごろからソフトバンクや東京エレクトロンなどのAI関連銘柄が息切れしていたのですが、ここにきてNVIDIA決算に対する懸念から、米国でもハイテク株を中心に大きく下げておりました。日本のAI関連銘柄に電線御三家があるのは変な感じを受けますが、データセンターは電線の塊だそうですからよしと致しましょう。彼らも、本日は大きく下げております。

債券安は、日銀が先行き金利引き上げに踏み切るだろうとの予想が広がっているからで、その理由はインフレ対策、さらには年内ないし来年早々の解散総選挙を予想する向きもあり、ならば円高によるインフレ鎮静化もあるか、との見方もあるのですね。まあ、短期的にはそれもあるかもしれません。あくまで、選挙対策ですが。

そして最後の円安は、トランプ関税の影響を無視しえない。これに関しては、他のエントリーにコメントしたので省略します。「トリプル安」、確かにそういう言葉もあり、そういう現象もあるのですが、眼前に起こっている現象がこれに当たるか否かに関しては、個別に考えてみる必要があると思いますよ。要素が三つぐらいなら「偶然の一致」ということも、当然あり得ますので。

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