野口修司氏の12/8付けアゴラ記事「台湾有事と尖閣防衛に関する日本の戦略的対応:存立危機事態への備え」へのコメントです。
「中国が台湾占領に成功する「二つのシナリオ」とは」と題するデイリー新潮のYahoo転載記事は、今回の問題の背景を探るヒントになりそうです。https://news.yahoo.co.jp/articles/6b1a89119afcfa0ef4be224b38d70026eb83c5db
「中国が台湾占領に成功するのは二つのシナリオにとどまりました。主に、米軍の日本への事前展開が遅れたり、または、日本の自衛隊が米軍に対する後方支援や米軍防護の軍事的な支援を行わなかった場合など、特定の条件が重なったケースです」(元陸上幕僚長の岩田清文氏)
つまり『日本の自衛隊が米軍に対する後方支援や米軍防護の軍事的な支援を行わなかった場合』というのが中国が台湾占領に成功する一つの可能性であり、これを求めて中国サイドが必死に動いたのではないでしょうか。
そういう背景を考えれば、公明党の連立離脱に中国の働きかけがあったことも納得がいきます。当時は、玉木氏を総理にする前提で動いていた野党の連携がありましたから、ここに公明党が加われば野党連立政権の目もあり、上の条件が成立する可能性が高まる。また岡田氏のしつこい国会質疑も、「台湾有事は存立危機事態になり得ず」ないし、「台湾有事は日本有事ではない」といった高市総理の答弁を引き出せれば、中国サイドの安心材料になり、台湾進攻に踏み切るきっかけとなり得た。
もしそうした背景があったとしたら、日本は薄氷を踏むような状況を乗り越えて、中国の台湾進攻を回避している。戦争回避に対する高市氏の功績は極めて大であったといえるでしょう。