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日本版トラスショックの可能性

池田信夫氏の12/11付けアゴラ記事「長期金利の急上昇は『日本売り』の危険な兆候」へのコメントです。


トラスショック発生時の英国と、今日のわが国では、いくつかの条件が異なっております。まず、英国は、長年にわたり経常赤字を続けていたのですが、我が国の経常収支は黒字が続いております。第二に、国債消化を海外投資家に依存していたため、大幅減税による財政規律のゆるみを警戒した海外投資家による国債売り、ポンド売りが発生しております。これに対して、我が国の国債はその大部分が国内で保有されております。

現在のドル円は155円付近が続いておりますが、この円安傾向は2022年から始まったもので、高市政権だからというものではありません。また、本年春以降の円安方向への動きの大きな要因に、トランプ関税や巨額の対米投資があることを忘れてはいけません。

その他、トラスショックの一つの要因は、年金基金がデリバティブの運用を取り入れており、これが大きな損失を生んだことが一因と言われております。我が国の年金基金は現物投資を中心としているため、この問題は発生しにくいと思われます。この辺りは、あまり効率を追い求めるのも考え物、ということでしょう。

とはいえ、野放図な財政赤字の垂れ流しが一国の信用を傷つけることも確かで、バラマキと呼ばれるような政策は手控える必要がある。一方で、国民の生活も大事で、これに対する援助は一時的なものにとどめて、いつまでも国の援助に頼るのではなく、国内で生み出す価値を増大させることをまず考えなくてはいけません。まあ、高市氏は、たぶんその方向を考えているとは思うのですが。

アゴラの昨年8月のエントリーも面白いですよ。https://agora-web.jp/archives/240808092559.html

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