長谷川良氏の12/21付けアゴラ記事「『神』とアルゴリズムとシンギュラリティ」へのコメントです。
神と科学技術は、水と油のように思う人も多いとは思いますが、実際には相当に近いところにあります。学問が個別領域に分化する以前は、哲学や神学が自然科学を含んでいたのですね。
グーテンベルクが活版印刷術を発明したとき、真っ先に印刷したのが『聖書』で、これが今日に至るまで世界最大のベストセラーになっているのですね。
肉体と魂の分離、あるいは、天国・地獄の存在に関しても、科学技術が進歩すれば、あるいは実現するかもしれません。つまり、死に瀕した人の脳を半導体装置の中に再現し、これがコントロールする身体(3Dモデル)をゲーム世界のようなバーチャル世界の内部で動かす。脳に相当するソフトウエアが『霊魂』で、コンピュータ内に作られたバーチャル世界が『天国』、ということになります。
まあ、相手が重要な秘密を抱えたまま死んでしまった犯罪者だった場合は、これを電子的に生き返らせて、『地獄』に相当する世界の中で口を割らせる、なんてこともやられるかもしれない。人道的には問題があるかもしれないのですが。
デジタルデータは『不滅』という特徴があります。これに対してハードウエアは、いずれ寿命が来て、使用不能になるのですね。これは、神や霊魂の不滅論と一致する。古代の哲学者(神学者)は、このあたりの原理を、正しく認識していたのかもしれません。