永江一石氏の12/24付けアゴラ記事「『円安は輸出企業が儲かるからいいことだ』を5分で論破する」へのコメントです。
総裁選で高市さんが勝利した日から円は下がりはじめました。「赤字国債発行して積極財政」というキャッチフレーズが市場で日本のリスクが高まったと受け止められているからです。
これはどうでしょうか。高市総理と日銀で世界経済を仕切っているなら、日本人としてこれほど幸せなことはない。でも、実際の為替は、日本以外の要素で大きく変動しております。適当なドル円5年チャートを見ていただければ、これは明白でしょう。為替が円安方向に急変したのは、2022年の2月以降。この時、ロシアがウクライナに侵攻し、エネルギー市況が高騰、我が国の貿易収支も、一気に赤字を拡大したのですね。https://www.nikkei.com/markets/worldidx/chart/usdjpy/?type=5year https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/reference/balance_of_payments/preliminary/pg2024cy.htm
2025年に世界経済に大きな影響を与えているのは、おそらくは、トランプ関税で、その一つの効果は、日本の対米輸出にブレーキがかかることから、ドルを上げ円を下げる方向に作用する。もう一つの効果は、米国の物価を押し上げ、金利引きあげ圧力がかかるのですが、こちらは、米国景気を優先して、FRBが金利を引き下げる方向に動く一方、長期債金利は上昇の気配を見せております。
アベノミクスがデフレ脱却に完全には成功していない、というのはその通りでしょう。第三の矢、成長戦略がほとんど機能せず、我が国のGDPは、依然として成長しない。この部分は高市総理に期待するしかないのですが、一般論として、経済を成長させるためには、金利を低く保つ。これが教科書的対応ではあります。現実の世界は、なかなか複雑で、簡単にモノを言うことはできないのですが。
日本の製造業に関する資料がありました。後ほど解析しましょう。

