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年末恒例「相場を読む」です。

年末恒例の「相場を読む」です。昨年末に読みました2025年の相場は、先行き不透明というもの。特に、中国初の経済危機を強く意識して、様子見を中心に据えた作戦を考えております。結果はと言いますと、確かにチャイナリスクは継続しているのですが、株式市場は絶好調。日経平均は5万円台の史上最高値のつけております


本年(2025年)の動き

本年の経済界の最大のニュースは、「タリフマン」トランプ氏の広範な関税措置で、いろいろ紆余曲折はありましたが、日本からの米国の輸入に関しては、8月に15%の関税を課すという形で、最終的に決着を見ました。

我が国の政界の大事件は、9月7日の石破自民党総裁辞任を受け、10月4日に高市自民党総裁が誕生したことでしょう。その後、公明党が連立離脱するなど、不安定な動きもありましたが、日本維新の会の閣外協力という形の連立により、10月21日に高市総理大臣が誕生しております。

高市総理は米国トランプ大統領訪日を受けて日米の蜜月状態を演出したのですが、一方で、11/17日の岡田議員の質疑に対して、台湾有事の際に、場合によっては存立危機事態となり得るとの答弁を行い、中国の異常な反発を招いております。

日経平均は、円安による企業収益の改善と、AIバブルの効果により大いに上昇し、11/4には52,636.87円の史上最高値を付けております。その後、ここからやや低いレベルでもみ合い状態となり、12/30の大納会は50,526.92円で引けております。

来年(2026年)の予想

残念ながら、来年も引き続き、チャイナリスクに配慮せざるを得ません。これは、中国バブル崩壊の深刻化という経済的リスクに加え、台湾進攻という軍事的リスク、そして、習近平政権崩壊という政治的リスクの三つが問題になります。

経済的リスクに関しては、かねてより不動産やEVの不良資産化が問題となっておりましたが、このところの台湾進攻リスクが意識されるに従い、その際に予想される経済制裁や、外国人や海外企業に対する中国からの危害に対する警戒心が高まり、日本企業の中国撤退の動きが出ております。これが広がりますと、中国経済全般の足を引っ張ることにもつながり、いよいよ経済問題が深刻化する可能性も高まってしまいます。

中国の台湾進攻の可能性は、高市氏の存立危機事態に関する答弁で強く意識されるようになりましたが、これはもともと、2022年にもロシアのウクライナ侵攻と並んで懸念されておりました。この年、2月の4日から20日までの17日間にわたって冬季オリンピックが北京で開催されており、その終了後に台湾進攻が実行されるのではないかとの予想がありました。しかし、2月24日、ロシアがウクライナに侵攻する一方で、中国の台湾侵攻は行われませんでした。

なぜロシアは動いたけれど中国は動かなかったか。これは全くの謎で、もともと中国側にそのような計画がなかったのかもしれませんが、ロシアのウクライナ侵攻に対する世界の反応を注視したか、ウクライナ側の反撃の強さに、侵攻計画の実施がためらわれたのかもしれません。西側の対応が分散するという意味では、ロシア、中国の同時侵攻は、絶好のチャンスでもあったのですが。

今日このリスクが認識される理由は、2027年に中国人民解放軍の建軍100周年を迎えること、5年に一度の共産党大会が開催され、この際に習近平の実績を誇りたいという事情があります。台湾併合に成功しておれば、この記念すべき年を大いに盛り上げることができるのですね。このリスクは米国側も強く意識している一方、トランプ大統領はこの侵攻をしないことを強く要求しております。

2026年4月には米中首脳会談が予定されており、この内容が注目されるところです。トランプ氏のことですから、中国側の強硬姿勢に折れて、これを認めてしまう可能性もなくはないのですが、逆に交渉決裂から武力衝突ということもあり得る。双方の指導者が、先の読みにくい方であるだけに、このリスクは無視しえないのが現状です。

中国にいずれかの危機が勃発した場合の日本市場への影響ですが、まずは、地政学的リスクが強く意識されて、株式や不動産は大きく下げるものと思われます。また、中国富裕層による日本資産への投資は、中国から日本への逃避が多ければ増加するでしょうが、すでに行われている円資産への投資がさらに安全な海外資産へと移動する可能性も高く、まず、日本市場の大幅な下げは避けられないと思わなくてはいけません。

その他、米国の動きとして無視できないのが、トランプ関税が米国憲法違反だとする訴訟の行く末で、これが違憲と判断される可能性も無視できない。その場合は、まず国内輸出企業の株価は大幅高となるでしょうが、同時にドル安円高への動きも生じ、トータルでの日本企業への影響は、なかなか評価が難しいところです。

と、いうわけで、2026年も2025年に続き、基本はキャッシュポジションを高めて様子見に徹し、大きく下げる局面があれば小さめに投資をするという姿勢で臨みたいと考えております。実は本年も、トランプ関税で大きく下げたところで小さく投資を行い、多少の利益は上げている。最悪こんな形でも良しとしたいと思います。

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