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解は「為替の自律調整」にあり

池田信夫氏の1/21付けアゴラ記事「与野党は消費減税案をただちに撤回せよ」へのコメントです。


中道改革が高市政権の放漫財政と対決するつもりなら、消費減税案を撤回し、財政健全化の具体的な提案をすべきだ。それが野田氏が首相だったとき、やろうとしたことではないのか。

正確に言えば、小泉行財政改革で国債発行残高の上昇にブレーキがかかったものを、民主党政権がぶち壊し、国債収入が税収を上回り、このままでは債務危機に至るとなって、消費税増税にかじを切った、ということですね。それも、政敵である、当時の安倍自民党総裁に確約させる形までとった。https://www.mof.go.jp/zaisei/financial-situation/financial-situation-01.html https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/010.pdf

野田氏にしても、それまでの公約を180°転換して消費税増税に踏み切る。これは、よほどのことだと考えなくてはいけないのだけど、民主党びいきのマスメディアも評論家も、みんな知らんぷりをしていたのですね。まあ、多くの国民は、民主党の変節ぶりを疑わしく思いつつも、その理由はなんとなくわかっていたのではないかと思いますよ。では、今回どうすれば良いかと言えば、解は簡単。円安を放置することです。為替は市場の自律的な動きに任せる。これが大原則で、金利でこれをコントロールしようとすると、特に自国通貨高に動かそうとすると、債務危機に至るリスクが高まります。

歴史に目を向ければ、プラザ合意の時点でも、妥当と考えられたドル円は165円で、1ドルが150円を下回ると、危機的な水準(行き過ぎた円高)と考えられていたのですね。しかしその行き過ぎが常態化すると誰も不思議に思わない。その間、我が国は円高不況対策のため国債発行残高を積み上げてきたけれど、この辺りが限界ということでしょう。

まあ、トランプ氏の関税その他の政策が、円の信認にとどめの一撃をくらわしたのでしょうが、とめどなき円安などは起こらない。どこかで止まりますから、そこまでは、国民の痛みを緩和する、ある種のバラマキを続けるしかありません。昔は1ドル200‐250円でも日本はやってこれたのですが、そこまではいかないと思いますよ。


1/22、コメントをもう一つ追加しました。

時間がたってみると、この不思議な発言の裏も、だんだんわかってまいりますね。

ベッセント財務長官は「日本国債の暴落が世界の市場を混乱させている」と日本の与野党が金利上昇局面で減税案を出していることを批判した。

これ、ヨーロッパの一部の投資機関が、トランプ氏のグリーンランド政策に対抗して米国債売却の意向を示し、このため、ドル安、米国国債安、米国株安というトリプル安が生じていた様子なのですね。これらの背景もあって、最終的にトランプ氏はグリーンランド政策を軟化した。TACOなんて言われているのですね。先ほどのNHKニュースを総合すると、そのように事態は展開している様子です。

で、ヨーロッパの米国債売りが有効な一撃だなどと認めたくない ベッセント財務長官が、米国のトリプル安を日本のせいにして上の発言をしている、と解釈すれば、なるほどと納得できます。そもそも、日本がちょっと放漫財政の気配を見せたくらいで、世界の金融危機が勃発するというのは、非常に考えにくいのですね。

とはいえ、日本の長期金利が急上昇していることは事実ですから、その原因を探って、対応を考える必要があるでしょう。これが、日本国債が債務不履行になるリスクを嫌ってのことだとすると、事は深刻ですが、先行きの円安、または日本の金利上昇を予想してのことなら、先手を打てばよい。実際問題として、金利をそうそう上げるわけにもいきませんから、ここは低金利の維持を日銀サイドから発言して、実質的に円安に誘導すればよい。たぶん、日銀当座預金に預けられている資金の一部が国債に向かってくれるのではないでしょうか。

そもそも、トランプ氏に要求された80兆円の対米投資に伴うドル需要もこの先発生するはずなのですね。ここにきて米国がドル安に悩んでいるなら、これは絶好の機会。ここでドル買いに動くべきところでしょう。円売りドル買いが中心にはなるでしょうが、中国元の保有がありましたら、これを売ってしまいたいところです。さて、いかがなりますことか。