池田信夫氏の2/3付けアゴラ記事「日本政府は巨大なSWF:『円安でホクホク』だが、金利が上がると破綻する」へのコメントです。
長期金利が上がり、財政危機論がまた盛り上がってきた。日本の政府債務は純債務ベースでみても名目GDPの130%と先進国で突出して大きい。普通ならトルコやアルゼンチンのようになっても不思議ではないが、日本国債の金利は今まで低く、財政危機も起こらなかった。
一国の収支である「経常収支」は、トルコやアルゼンチンが慢性的な赤字を続けているのに対し、日本は黒字を続けており、国内の資金は増加傾向にあることが、この「不思議」に対する答えではないでしょうか。この資金、持っているのは民間かもしれませんが、国には徴税権がありますので、国全体としてみればお金はあるとみなされるのですね。
言われるとおり、我が国の国債発行残高は、増加の一途をたどっており、「債務増」が我が国の抱える大きな問題であることは確かです。その原因は、大きな支出先が社会保障であることは確かなのですが、1980年代以降に急速に債務が増大した理由は「外需から内需へ」の「円高不況対策」であったのですね。
1980年代初頭までの日本は、輸出で大いに稼いだのですが、貿易摩擦とプラザ合意以降の円高により、この道が断たれた。しかし、国民生活レベルを低下させることにも抵抗が強く、財政赤字でこれを補填してきたのですね。これが30年も続いてしまった。
プラザ合意時点での適正なドル円は165±15円程度とみられており、現在もこれが続いているとすれば、昨今の「円安」はむしろ「正常化」であり、このレベルから動かす必要はないのですね。つまり、金利を上げる必要はなく、物価上昇による困窮対策を講じればよい。この物価上昇も、その多くは円安による企業収支改善の結果としての賃上げでカバーされるはず。総体として、そうそう心配することはないのではないでしょうか。