新型コロナの感染拡大状況に関して簡単にまとめました。
世界の状況
まず、厚生労働省のデータに基づく、各国の状況は下表のようになっております。
これより、言えそうなことは以下の諸点です。
- 感染者増加率(前日比の増分)が10%以上の国が大部分であり、世界の感染者は急増し続けている
- 感染者増加率が特に高いのは、スイス、カナダ、米国の3国で、前日比30%以上の増加となっている
- スイスは、イタリアと国境を接しており、感染拡大も仕方のない事情があろう
- 米国は、昨日も前日比83%と急増しており、感染者数でイラン、スペインを追い越しそうな勢いとなっている。米国の感染拡大は、特に世界経済への影響という観点から、深刻な問題である
- 中国の感染者増加率は0.1%と低く、完全に鎮静化したように見えるが、百万人あたりの感染者は58人(つまり、一万人あたり0.58人)と、国内に免疫ができているわけではなく、再発の恐れは依然残っている
- その他で感染者の増加がマイルドな国は、韓国の1.7%を筆頭に、日本、イランと続いている
毎日10%の割合で感染者が増加するということは、毎週2倍になっているという意味で、10週間後(つまり、二月半後)には感染者数は一千倍になるという意味です。これは相当に深刻です。
一方で、アジア諸国の感染者拡大が収まりつつあることは、将来に希望を与える良いニュースであり、人々がそれぞれ衛生に気を使い、感染の機会を極力なくしていくことで、新型コロナの爆発的な感染は抑えることができることを証明しているのですね。
感染者の人口に対する比率が、高い国でも0.1%以下であるということは、グッドニュースであると同時に、免疫を持つ人の割合が少ないことを意味し、まだまだ油断はできません。
状況は悲観したものではなく、解決の見通しはある。ただしそのためには、今後も不断の努力が必要である、ということでしょう。
日本の状況
我が国の状況(経時変化)を以下に示します。軸目盛は「感染者」だけが左軸、その他は右軸となっています。
この感染者と死者は朝日新聞社のまとめたもので、その他は、このデータから私が計算しております。倍増日数は、感染者数が倍増するために必要な日数、新規感染者は前日の感染者に対する増分、新規7日平均は新規感染者の過去7日分の平均を示します。
このグラフから言えることは、まず、新規感染者数は3/16頃の45人/日から低下して、40人/日を割り込んできていること、新規感染者が倍増するに要する日数も徐々に伸びて、現在では12日程度となっていることです。
現在の我が国の状況は、コロナウィルスの感染拡大は収まりつつある、ということは言えるでしょう。
ただし、我が国の百万人あたりの感染者数は8人と、中国と同様に、過去に新型コロナに感染して免疫を持っている人はほとんどいないのが現状で、いつ爆発的な拡大につながるかは予断を許しません。
ここは、各種規制を緩めるにしても、様子をうかがいながら少しずつ緩めていくことが肝要でしょう。また、クラスターの解析を怠らず、感染者は確実に突き止めて隔離していく、粘り強い対処を続けていかなくてはいけません。
3/22追記
まず、最新の推移です。昨日までの傾向が継続しております。
世界の状況は、まず、米国の感染者数がイランを抜き、スペインに肉薄しております。米国の感染者増加率は37.3%と他を圧倒しておりますので、スペインを抜くことはまず間違いないものと思われ、米国が、中国・イタリアに次ぐ世界第三位の感染者数となりますことは、まず間違いないものと思われます。
その他、このリストで注目されますのが、ブラジルとトルコの増加で、ブラジルは2億の人口を抱える大国だけに注目されますし、トルコの増加率は163.8%と、この急増ぶりも目が離せません。
これらの危機的状況の中で、中国、韓国、日本はまずまずの数字が続いております。このデータでは、マレーシアのゼロも目立っており、アジア諸国の健闘ぶりが際立っております。
3/23追記
まず、最新の推移です。これまで感染ペースが抑制されていましたが、本日のところではブレーキは効いておりません。悪い兆候かもしれません。我が国の累積感染者数は、朝日のまとめで1,015人、厚労省のまとめで11,089人と、千人の大台に突入しております。
世界の状況は、まず、米国の感染者数がついにスペインを抜き、中国、イタリアに次ぐ世界第3位となりました。に肉薄しております。米国の感染者増加率は28.1%と、昨日からは多少下がりましたが、それでも上位陣の中では他を圧倒しております。
昨日感染者が急増しておりました、ブラジルとトルコは、本日は一息ついた形です。ただし、トルコのゼロは少々おかしい。データが入っていないだけであるようにも見えます。
日本はこれまではまずまずの経緯をたどってきたのですが、検査数が少ない兆候は、死者数あたりの感染者数の少なさに現れているように思われます。
検査されずに自由に動き回っている感染者が多数おりますと、原因不明の感染者があちこちに現れることになります。このような状況は、我が国の安全性に問題があると見なされることにもなりかねず、ここは、検査数を増して感染者ゼロを目指さなければいけません。
まあ、何事にも程度があるのですが、少なくともその方向を目指してじんわりと取り進めるしかないように、私には思われます。
3/24追記
まず、最新の推移です。死者が一挙に5人増加したのは悪いニュースですが、感染者の増加が少ないことは良いニュースです。新規感染者数も、7日平均では下げに転じております。
次に世界の状況ですが、米国およびヨーロッパ各国の感染拡大が止まりません。米国の感染者増加率は34.7%と、再び30%台に上げております。
昨日一息ついておりましたブラジルとトルコは、再び50%台の感染者増加率となっております。
日本は、中国、韓国と並んで、まずまずの状況を保っております。日本と似た感染者増加率にありますのが、スウェーデンとデンマーク。これらの国の死亡率は我が国よりも大幅に低く、監視体制に違いがあるとは思いますが、我が国同様、感染率の野放図な拡大は抑えられております。
スウェーデンとデンマークの死亡率が我が国よりも大幅に低いということは、わが国固有の高齢化が影を落としている可能性もゼロではありませんが、我が国の検査数がこれらの北欧諸国に比べて低すぎる、という理由もあるのでしょう。
検査を増やせば感染者は増えるのですが、これは、元々いた感染者が検査で引っかかったということで、こういう人たちを日本国中自由に移動させるわけにはいきません。ここは我が国も、じわじわと検査数を増やしていくしかありません。
3/25追記:この続きは新しいエントリーに書いております。