内藤忍氏の7/18付けアゴラ記事「幸せの尺度は絶対値ではなく『ベクトル』」へのコメントです。
このお話とほとんど同じお話を鈴木敏夫さんが「禅とジブリ」に書かれていました。その理由は、ベクトルじゃなくて、『今この瞬間』ということだと。(解説はこちら)
ちょっと長いですけど、関係個所を以下に引用いたしましょう。対談のお相手は、龍雲寺住職の細川晋輔氏、禅の専門家です。
鈴木:もうひとつの気に入った理由は、日本で出会ったパクトンチャイ出身の女の子に惹かれたんです。というのは、彼女、今この瞬間のことしか考えないんですよ。……
鈴木:彼女、まさに「一日暮らし」ですよ。彼女と大家族を撮った写真があって、みんなお金がなくて、その日の暮らしにも困っているくせに、それを微塵も感じさせないすごく明るい顔をしているんです。僕の友人なんて、、その写真を見て泣いちゃったんですから。「苦労しているのに、なぜこんなに明るいんだ」って。
細川:禅が目指す姿ですね。日本も昔はそうだったと思うんですよ。
鈴木:そう! 思想家の渡辺京二さんが書いた『逝きし世の面影』という本は、幕末・明治に日本に来た外国人が国へ送ったレポートや手紙を集めた本なんですけどね。それによると、日本人はみんなニコニコしていて、子供を大事にし、一日にわずかな時間しか働かないで、後は集まってしゃべっている。「なんていい国なんだ」というレポートばっかりなんですよ!
まだあわてる