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困ったような嬉しい話

岡本裕明氏の7/22付けアゴラ記事「日本のチカラを映し出す『為替力』」へのコメントです。


国力という観点から捉えた時、今の円安は日銀がそう誘導しているというよりそうならざるを得ないほど日本経済は傷んでいるといったほうが正しいのではないかという仮説を考えています。黒田総裁は昨日の記者会見でドルの独歩高と述べましたが、それはアメリカには金利をあげられる国力があるということの裏返しなのです。

良い着眼点です。GAFA絶好調の米国経済と、失われた30年絶賛継続中の日本経済を比べてみるのも、むなしい話ですが。

自国通貨が強くあってほしいという考えを持つ人が多いのですが、実は、これはちょっとおかしい考え方で、一国の産業経済を考えるとき、自国通貨は弱い方が好ましい。

歴史的には、自国通貨を安くする政策は『近隣窮乏化政策』と呼ばれ、自国は栄えるが近隣諸国が窮乏化する。だからこれを無理に行うと、他国も似たようなことを始めて、通貨切り下げ戦争などということになってしまうのですね。

そういうこともあるから、自国通貨が実力以上に評価されていても、政策的に通貨を切り下げに誘導することがし難い。今回のように、海外投機筋が円切り下げに動いてくれることは、実は歓迎すべきこと。政府・通貨当局としては、困った顔をしながら、内心ほくそえんでおけばよい話、というわけです。(内緒ですよ。)

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