アゴラ編集部の8/1付け記事「最低賃金が史上最高の30円アップに期待感:でも問題はそこじゃない?」へのコメントです。(ブログに追加あり)
韓国の前の大統領が政権の座に着いた頃、韓国の最低賃金の大幅引き上げをやりましたね。その時起こったのは、雇用が失われてしまった、ということ。低賃金でなければペイしない、生産性の低いビジネスは成り立たなくなってしまいます。必要なのは、高い価値を生み出す仕事をもってこなくちゃいけないのですね。
結局のところ、賃金は社員が提供した価値に対して支払われるという性格があり、大きな価値を提供できなければ高賃金は期待できない。そして、大きな価値を提供するには、高度な技術に支えられた競争力の高い製品を作ること、そうしたビジネスを我が国に多数立ち上げることが前提となるのですね。
かつてジャパン・アズ・ナンバーワンなどといわれていたころ、我が国の生産する自動車は排ガスがクリーンで燃費もよい。電機製品も高性能高品質のものが生産されていた。だから、世界中に輸出を拡大していったのですね。
そこまでは良かったのだが、90年代の情報技術革命には、完全に乗り遅れた。今、使っているソフトはほとんどが米国製だし、情報技術を使ったGAFAに代表される事業は、もちろん米国主体で、我が国の出る幕が全然ない。これでどうやって日本人が高賃金を得るのか、相当に難しいことだと思わなくてはいけません。
とはいえ、科学技術がこれで終点というわけでもない。この先には、おそらくはエネルギー技術の大変革があるだろうし、超電導の技術も進んでおり、これが一般的に利用されるようになったら、白色LED以上のインパクトがあるはず。我が国は、第二ラウンドでのリカバリーを狙うしか幸せになる道はないのではないかと思うのですが、、、
8/2追記
この問題に関連して、ちきりんさんのツイートに返信を入れました。
「能力に応じて働き、必要に応じて取る」というのは共産主義のモットーだけど、市場性を無視したこのやり方は失敗した。
— yuzo seo (@yuzo_seo) August 1, 2022
時給1500円の価値のある仕事をすること、それをマーケットに認めさせること、そこがスタートラインじゃないかな?
規制に頼ると、経済がいびつになり、最後には破綻します。
時給を決めるものは労働市場です。ここは、マーケット感覚が必要なところです。
— yuzo seo (@yuzo_seo) August 2, 2022
政府がなすべきことは、高い価値を生み出す仕事を増やすこと。それには「プロパテント政策(わからなかったらググってね)」が効果的です。
生活苦は福祉政策の問題で、必要ならベーシックインカムなどを検討すべき。
給料上げろ