城繁幸氏の9/23付けアゴラ記事「大学で何を学べばトクなの?と思ったときに読む話」へのコメントです。
筑波大学の「経営システム科学研究グループ」というのがちょっと面白いですよ。https://www.fbs.otsuka.tsukuba.ac.jp/group/sm/
少し古い本なのですが、マーク・ホールとジョン・バリーの「サンマイクロシステムズ/UNIXワークステーションを作った男たち」には、興味深い記述があります。
ワークステーション市場の景気が停滞したとき、サンのエンジニアの多くは研究室を抜け出して、問題を抱えた部署を訪問した。回路図の代わりに、そこで会社組織図を描いたのだ。また、ソフトウエアのバグ修正には費用がかかるので、できるだけ問題が起こらないように注意した。サンは幸運にも、エンジニアリング経営にかけてはシリコンバレーでも優秀な人材を呼び寄せることができた。そしてこれら優秀な人材は、ラクルートが新入社員向けビデオで説明したビジョンに共感をいだいていた。彼らはみな、頭の切れる技術者の側面と、現実的な実業家の側面がうまくブレンドされていたのである。
上の文章には誤訳(というほどのものでもないかも)がありますのでご注意ください。「エンジニアリング経営」は、普通の日本語では「経営工学」です。
それはともかく、経営には、たしかにひらめきや直観も必要なのですが、通常のオペレーションに際しては、数理モデルで予測をして、最大の効率が得られるよう、最適化しなくちゃいけない。これ、ORとかいうからわかりにくいのですが、現実に即した数理モデルを作り、情報機器を操って何をすればよいかを求めればよいのですね。大学教育は、あらゆる専門分野の人に、そういうことができるようにしていかなくちゃいけません。
実験はたのしかったなあ