小島勢二氏の12/16付けアゴラ記事「追加接種率世界トップの日本が、なぜコロナ感染者数が最多なのか?」へのコメントです。
よく言われることですが、相関関係は必ずしも因果関係を意味しないという点に注意しなくてはいけません。
ワクチンを打った人がコロナに感染する比率が高いという事実は、ワクチンがコロナの原因になるかもしれないのですが、コロナ感染が拡大しているからワクチンを打つ人が増える、ということもある。また、ワクチンを打ったから安心して感染リスクの高いところに出かける、ということもありそうな話です。
もう一つの問題は、ワクチンに期待されていたのは、感染防止効果というよりは、感染した際の重篤化を防ぐ効果であり、ワクチンの効果を議論する際には、感染者数よりも、重篤化する比率や死亡者数で議論すべきところでしょう。
国際的には、本年6月ころまではヨーロッパの感染者が多かったのですが、8月以降は東アジアの感染拡大が目立ちました。ここにきて、再びヨーロッパの感染が拡大している。これには、気象やワールドカップのような国際行事も影響していそうで、単純にワクチンの要因と決め打ちするのも難しいのではないかと思います。
日本の特殊性という問題は、たしかにありそうです。これは、横並びしがちな国民性で、マスクの着用やワクチンの接種が大いに進む一方で、ウイズコロナの掛け声がかかり、クーポン券が出されるとどっと街に繰り出す。何事も、極端に走る可能性は大いにあります。このあたりも、モデル化の際には考慮すべきかもしれませんね。
返信がついております。
磯野靖雄
多国間における相関、及び日本国内の他県間(地域間)での相関に言及しています。もちろんあくまで相関の調査ですが、より因果関係に迫った論説かと思います。
ワクチンに重症化予防効果がある、という事は不活化ワクチンや、弱毒化ワクチンの話です。ウィルスの毒性に関する化学的、遺伝子的情報が含まれているからです。mRNAワクチンにはスパイクタンパク質の遺伝子情報のみが含まれているわけですから、ウィルスの毒性に対応する免疫効果は期待しようがありません。事実は、感染確率が上昇して、重症化確率が低下しています。これは免疫抑制作用が働いた為だ、という説があります。決定的な証拠はありませんが、話の辻褄は合います。
瀬尾 雄三
磯野靖雄さん
話の辻褄が合う、というだけのことなら、次のようなメカニズムもあり得ます。
・ワクチンを打った人は、感染リスクの高い行為をする確率が高い(感染リスクの高い行動をする必要があるからワクチンを打つ人もいるだろうし、ワクチンを打った人は安心して人込みに出かけがちである、などが想定されます)
・その結果、ワクチンを打った人はコロナに感染する確率が高まるが、ワクチンの効果により重篤化したり死亡したりする人は少ない
というメカニズムあり得ますね。決定的な証拠はありませんが、いかにもありそうな話です。
磯野靖雄
スパイクタンパク質のRNAコードが、コロナウィルスによる重症化を抑制する事は無い。この事と辻褄の合う理屈、推論を紹介したまでなのですが?仰る事が、良くわかりません。
蛇足ですが、mRNAワクチンで作られたスパイクタンパク質は単独で体内を巡り歩き、いろいろな部位で炎症を起こす事が明らかになっています。主に上気道の細胞に侵入して増殖するウィルスとは別機序の悪さを起こすらしいです。
瀬尾 雄三
磯野靖雄さんの最初の返信の以下の文章は、少々おかしくはないでしょうか?
> 事実は、感染確率が上昇して、重症化確率が低下しています。これは免疫抑制作用が働いた為だ、という説があります。決定的な証拠はありませんが、話の辻褄は合います。
感染確率の上昇は、ワクチンのせいかもしれませんし、元々ワクチンに感染防止効果がなく、かつワクチンを打つことが感染防止努力を怠ることに繋がれば、感染確率は上昇するわけですね。こちらは問題はありません。
問題はその次で、「重症化確率が低下しています」、これはワクチンの効果というしかない。まさか、重篤になる人は、予め与えられた一定人数で、感染者が増えれば重篤化比率が下がり、感染者が減れば重篤化比率が上がるのだ、などとご主張されているのではないですよね。
で、今のワクチンは、重篤化を防ぐ効果はない、ということでしょうか? まあ、どのように理屈を展開するのも推論するのも自由なのですが、それではこのワクチンのテストは、どのようになされたというのでしょうか? 不思議な論理展開です。
磯野靖雄
コロナ肺炎で重篤化するのは、自身の免疫によるサイトカインストームなのです。異物であるウィルスを産生した自分の細胞が、免疫にとっては邪魔者、攻撃対象になるのです。肺胞の細胞にウィルスが入って、サイトカインストームが起きると、免疫によって細胞が破壊され、呼吸が出来なくなって死ぬのです。
免疫抑制が働くと、このサイトカインストームが起きなくなる訳です。その代わり、免疫が無防備になるので、他の感染症にかかりやすくなる、がんの進行が進むなどと言った事が危惧されています。
失礼ながら、免疫の基本をご存知無い様子ですね。良く人を批判できるものだ。
瀬尾 雄三
磯野靖雄さんの説明されているのは、いわゆる副作用ということになるのでしょうが、これは無視できないレベルで発生しているのでしょうか。つまり、コロナの重篤化を防止するという効果以上に副作用の害があるということでしょうか?
多くの薬に副作用のあることが知られておりますが、これらは、薬の効果に比べて十分低リスクだから許容されているのですね。抗生物質のような、普通に使われている薬でも、中にはショックを起こす人がおります。
この問題を大局的に眺めれば、これらの副作用は、ワクチンを認可する段階で効果とともに調べられているはずで、この網をかいくぐって重要な副作用が見落とされてしまったとすると、ことは単にコロナワクチンの問題を超えた制度的な問題にも発展するわけです。そういう問題なのでしょうか?
逆に、これらの問題がレアケースであるということは、大いにありそうなことで、レアケースであろうとも、発生した副作用はこれに立ち会った医師にすれば高い確率のように感じられる。具体的な症状を見ている者の言葉には説得力がある。これが、ワクチン反対運動のドライビングフォースになってしまうのですね。
しかし、全体から見れば、これがレアケースであり、ワクチンによって救われる命が圧倒的に多い場合には、ワクチン批判は社会的な害の方が多い。そして現状コロナで死ぬ人は、万単位の規模だということを忘れてはいけません。
因果は巡る