内藤忍氏の1/15付けアゴラ記事「お金持ちが更にお金持ちになる理由」へのコメントです。
以前、経営学のゼミに参加していた時、証券会社の方から興味深い話を聞いたことがあります。
バブルで大きな損失を出した企業や個人投資家が大問題になった時代があったのですが、その証券会社の調査によれば、大きな損失を出した人は中間層の人で、富裕層はバブルの結果、大きな利益を上げていた、ということなのですね。これは、バブルの崩壊も通して、ということです。
これは、ある意味あたり前の話で、土地や証券の売り買いで大きな損失を出すグループがあるならば、その一方で大きな利益を出した人たちもいるということなのですね。
そして、バブル以前から土地や証券を保有していた層は、バブルで大きく値を上げたこれら資産を売却してキャッシュにしていた。その結果、バブルとその崩壊を通して、富裕層はますます豊かになったというわけです。
で、面白い点は、多くの企業が巨額の損失を出して問題になったわけですが、これらの経営陣は、富裕層ではなく、中間層だった、というわけですね。少なくともセンスにおいてそうだった。富裕層が会社経営にあたるというのは、我が国においては難しいということであったのかもしれません。このエントリーでそういう話を思い出しました。実に、興味深いことです。
ふうむ。つまりここでいう富裕層とは、素封家のことですね。
素封は『史記』に見える語。
素封の「素」は、「むなしい」や「無い」の意味。
「封」は、封土や封禄の「封」で、社会的な地位や領土のこと。
つまり、素封は社会的な地位や領土はないが、諸侯にも等しい財産があることや、そのような人(民間の大金持ち)をさす。
ということです。「社会的な地位や領土はない」ということで、この手の富裕層は会社経営のような組織における地位も得ないところに特徴があるようです。まあ、お金がたくさんあれば、あえて働く必要もないですからね。
かねくれ