澤田哲生氏の1/21付けアゴラ記事「東工大と東京医科歯科大の統合:新名称『東京科学大』に思う」へのコメントです。
元々、東工大はinstituteですからね。MITに対応するTITであったわけです。蔵前にありました「東京職工学校」が前身ですし。そういう意味では、専門領域を極めることこそ、東工大の使命であると考えるのはまことに正しい。
医者が医療技術を極めることも、正しい道であるはずです。米国の情報関連学会ACMの倫理規定でも、専門的職業人は専門知識を常に高いレベルに保つことを要求している。それが専門家の社会的使命であるわけですね。そういう意味では東工大と医科歯科大は、整合性があるとも言えそうです。
でもこのエントリーもそれなりに正しい主張に思えます。この主張を追求した校名は「Sophia University」つまりは、上智大学になってしまいます。
上智大学が医学部を持つという話はずいぶん前から出たり引っ込んだりしているのですが、ここが医学部をもちますと、本当の意味でのUniversityになる。つまり、神学部と医学部を持つ、総合大学になるというわけですね。まあ、今の世の中で、Universityの要件に神学部までを要求するのもどうかとは思いますが。
そうしてみますと、この世界に必要な高等教育機関には二種類あるというのが、このお話の落としどころではないでしょうか。つまりは、それぞれの領域に長けた専門家を養成するInstituteと、総合的な『知』を追求するUniversityですね。専門家には専門家の役割がありますし、総合的な知恵者にはそれなりの役割もある。社会の調停役のようなものですね。そういう形の多様性も、悪くないのではないでしょうか。
コメントがついております。
星光
Tokyo Institute of Technology and Scienceではどうでしょうか? なんちゃって(笑)
瀬尾 雄三
いろいろと校名のアイデアが出ておりますので、私も一つ出しておこう。「東京技術大学」はどうかな?
工業技術も医療技術も技術に違いがあるわけではありませんから。医科歯科大の方は嫌がるかもしれない。英語にすれば、“Tokyo Institute of Technology”ですからね。従前の東工大、マンマです。
とはいえここで言いたいことは、サイエンスとテクノロジーは、ある種の対立概念で、「研究開発」の「研究」と「開発」の対立関係に近いものがあるのですね。
サイエンスとは、新しい概念や法則を見出すこと、これまでにない原理原則を作り上げることに真価があります。一方のテクノロジーは、これらの知識を利用して現実の問題を解決すること。いかに巧みにこれをやり遂げるかというところに価値がある。
サイエンスは不確実性に特徴があり、テクノロジーは確実であるところに価値がある。医者が手術中にサイエンスを始めたら、患者は「タスケテクレ~」といわなくちゃいけない。工場の機械を改良したり設計したりするにも、確実に動くことが、まず要求されるのですね。技術も、科学に劣らず、重要な役割があるのですね。
瀬尾 雄三
ん、一ついいのを思いつきましたので書いておきます。
「東京医科工科大学」、“Tokyo Institute of Medical & Engineering”です。これ、英語の頭文字をとると“TIME”、すごいでしょ。
TITもMITも、最後はTechnolotyなのですが、Technologyを担当する人は“technician”ということになるのですが、米国などではtechnicianはengineerの下で働く人という意味がある。図面を書いたり指示したりする人がengineerで、それに従って物を作る人がtechnician、まあ、肉体労働者的なイメージが強いのですね。
となりますと、Technologyを標榜するのはちょっとまずいかもしれない。ここは、Engineeringを前面に押し出したらよいのではないか、というのがこの提案の元です。
もちろん、東工大は、理学部もあるわけで、サイエンスを無視してはいけないのですが、ここは元々が「工業大学」ということで、サポート役に徹していただくわけにはまいりませんでしょうか。
星光
TIMEはいいですね。
TITは辞書で引いてもらえればわかりますが、あまりよい略称ではないと思います^^;
瀬尾 雄三
> あまりよい略称ではないと思います^^;
いや、これほど素晴らしい略称であったとは、今に至るまで気づきませんでした。
瀬尾 雄三
「tit」の語源は何でしょうか? ひょっとして、アスキーアートかな?
大きくすると「tit」、それっぽく見えませんかね?
世界最古のアスキーアートだったりしたらすごいですけど、、、
これは、たいへん、てか、へんたい、か...
東工大は憧れ