池田信夫氏の6/15付けアゴラ記事「マイナンバーカードを廃止すれば同性婚の問題も解決する」へのコメントです。
普通は、この手の情報システムを導入する場合、目的を明確にしなくてはいけないし、当該業務がどのように行われているのかを分析しなくてはいけない。そのあたりが全然なしに、ただただマイナンバーカードを普及させたい、それだけを目的に、適当な用途を探したら保険証だった、というのがなんとも無茶苦茶です。
菅総理(当時)(2021年3月31日 衆院内閣委にて):「特に設置の際は5000億ぐらいかかっていました。そうしたお金がかかっていて、たしか10数%の利用率だったんです。国民の皆さんに申し訳ない、そういう思いの中で、何が一番早く、また国民の皆さんにお役に立てるかと考えたときが、保険証だったんです」
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/190432
これ、つまり最初から、マイナンバーカードは大失敗だったけど、その責任を問われるのが嫌だから、何かに使わなくちゃいけないということで保険証が出てきたわけですね。
普通ならあきれた話なのだが、それをおかしいとも何とも思わないところが、我が国の官僚文化の腐りきっているところなのですね。まあ、わからないだろうなあ、、、当人たちには。
地上波デジタルもそうなのですが、これ『地上波』というキーワードが重要。許認可の対象になるのですね。すでにテレビ受像機はネットに繋がれているというのに。これで大丈夫だと考えている人たちの気が知れません。
6/16:以下を追記しました。
答えを書いておけば、最初から、「戸籍・住民票をデジタル化して、税・社会保障と一体化します」といえばよかったのだけど、それが言えないから誤魔化すようなことをやった。これが間違いだったということでしょう。
それが必要なことであるなら、きちんと国民に説明して、国民の理解を得た上で取り進めなくてはいけません。それが主権在民、民主主義というものです。
きちんとやる場合、いかなる機能が要求されるか、これを実現するためのデータ構造をどうするかを最初に決めなくてはいけません。それがこのエントリーの言う、戸主制度云々でしょう。
この部分は、ソフト会社に丸投げしてよいようなものではない。自分たちが何をしているか、それには何が必要かをきちんと意識していないから、業務の分担、責任範囲が訳の分からないことになってしまうのですね。
ここで関係者に言うべき言葉は、どこかで聞いたような言葉だけど、『今からでも遅くはない、原則に帰れ』でしょう。ソクラテスじゃないけど、まず己の無知を知ること。それすらわかっていないのが最悪だと知らなくちゃいけません。
まあええじゃん