黒坂岳央氏の6/17付けアゴラ記事「起業に向いている人、サラリーマンに向いている人」へのコメントです。
起業に向いている人の第一の条件は、給与をはるかに上回る価値を創出している人であることなのですが、そうであることが周囲の人にわかるような人は、別の会社により良い条件で転職することもできる。あえて「起業」する必要もあまりないのですね。
一方、かつてない技術を作り出すようなスタートアップの条件となりますと、その技術なりビジネスモデルが普通の人には理解しにくいのが普通です。そして、この手の起業がすんなり立ち上がるかといえばそんなことはまずありませんので、立ち上がるまで、いかにして食っていけるかを考えておかなくてはいけない。
ハイテクのスタートアップなら、受託ビジネスで当面しのぐ、というのが良くあるパターンで、ソフトウエアの起業ならソフト開発を受託する、ネット関連ならホームページ作成を受託する、電子技術関連ならシステム開発を受託するなどが多くあるパターンなのですね。
もう一つのパターンが、何もしなくても食える状況を作る。十分な資産を保有してそこからの上りで食えるようにする、腕に覚えのある人が、充分なトレーディング収入を確保したうえで、ずっとやりたかった開発を進めるなどもあります。嫁さんのおやじさんが資産家、なんてのもあるのですね。
もちろん、第一に必要なものは技術力であり、これへの傾注の深さなのですが、なんだかんだ言っても結局は金。先立つものを確保しないと、先には進めない。世の中けっこう世知辛いのですね。そこをきっちり押さえておかないと、いくら良い技術であっても、失敗してしまう、夢のない話ですけど、これが現実です。
FIRE