中村仁氏の7/30付けアゴラ記事「市場の声でなく世論の声・社会の声に押された利上げ」へのコメントです。
とにかく金利を上げいき、景気が悪くなり、物価が2%を大きく割るようになったら、その段階で金利を引き下げに転じればいい。金融政策はそういう意味での「柔軟性」が必要なのです。
金融政策に柔軟性が必要であることはその通りですが、「金利を上げいき、景気が悪くなり、物価が2%を大きく割るように」する施策は悪手です。「景気が悪くなり」では、せっかく上がり始めた給与も下がってしまいます。
現在の物価高が、景気の過熱によるものであるなら、たしかに言われるように、金利を上げて景気を冷やすのが正解なのですが、エネルギー価格の上昇を原因とするものであるなら、金利を上げても物価は下がらない。この部分の見極めが大事なのですね。
その他、「長期金利が上がっていけば、利払い費が増え、国債発行を抑制する効果があります」も疑問です。利払い費が増えたら、これに充当するために、ますます国債を発行しなくてはいけなくなることもあり得るのですね。
我が国の財政を健全化するためには、国内の産業を振興し、景気を良くして税収を増やすことこそ、正しい道。個人の家計だって、借金を返すには収入を増やすことを考えるべきであって、高利貸からお金を借りたって、何の解決にもならないと思うのですが、、、
円安万歳