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高速炉はいろいろな意味で必要

池田信夫氏の8/20付けアゴラ記事「『核のゴミ』問題を解決する超簡単な方法」へのコメントです。


使用ずみ核燃料を原発のサイト内に半永久的に乾式貯蔵すればいいのです

これは良い考えのように聞こえますが、この「半永久的」が10万年といった長さになるのが少々問題です。これ程の長期間になりますと、東日本大震災レベルの地震が発生する確率が高まってしまいます。伊方原発近くには、巨大地震の原因となり得る中央構造線がある。これが10万年の長きにわたっておとなしくしてくれる保証は全然ない。

これが10万年ではなく300年なら、まあ、それほど無茶な話でもない。300年だって、地震が起こらないとは限らない。でもその確率は、10万年に比べればものすごく小さいのですね。これを300年に短縮するには、高速炉を作って燃やす。六ヶ所村の再処理施設も、当初計画通り、きちんと稼働させなくてはいけません。

我が国が高速炉を動かす意味は、放射性廃棄物の処理以外に大きな意味がある。これは、DT反応に使うトリチウムをリチウムから作る高速中性子源として使えるのですね。より安全なD3He反応に使うヘリウム3もトリチウムから作られますから、同じ話が成り立ちます。

現在は、DT反応炉の高速中性子を使ってトリチウムを作る計画ですけど、ただでさえ難しい核融合炉にあまり余計な役割を付け加えるのは好ましくない。そして、より安全なD3He反応では、高速中性子は出てこないので、3Heの原料になるトリチウムは別途作らなくてはいけない。高速炉を作ることは、トータルで見れば、核関連の事故の低減に大いに寄与すると思うのですが、なぜそれをしないのか、理解に苦しみます。

1 thoughts on “高速炉はいろいろな意味で必要

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