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ポートフォリオという考え方も

室中善博氏の9/26付けアゴラ記事「割高な太陽光や洋上風力を無理やり推進する必要はない」へのコメントです。


経産省が発電コストを試算した2021年8月というのは、なかなか微妙な時期です。

この前にはコロナ禍による世界的な生産活動の縮小があり、天然ガスの市況は下がっていた。しかし、ちょうどこのころから、コロナも一段落して、天然ガス価格もじわじわと上げ始めていたのですね。そして、翌年の2月になりますと、ロシアのウクライナ侵攻が始まり、天然ガス価格は暴騰する。そういう中でコスト比較をするというのは、なかなか大変です。

原子力発電にしても、たしかにコストは安い部類なのですが、原発がフル操業すると夜間電力があまり、昼間の電気代20~25円/kWhに対して夜間電力は7円/kWhなどという時代もあったのですね。そうなりますと、必ずしも効率が良いとは言えないヒーター式の電気温水器などを夜間に動かしてお湯を作る、などということも行われておりました。

しかしこれに太陽光発電を組み合わせると、原発は夜間の最小の電力需要に合わせた発電規模とし、昼間は太陽光と、更に不足する部分を火力発電に頼ればよい。

俺が俺がと言い出すと、最適値からは隔たったところに行ってしまう。それぞれが特徴を生かして、適材適所に活路を見出す。エネルギー問題の解も、たぶん、そんなところにあるのではないかと思います。

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