岡本裕明氏の2/19付けアゴラ記事「岸田首相は『空気』か、『神』か?」へのコメントです。
岸田首相は欧米追従としながらも全方向外交です。日韓の関係が大きく改善したのは岸田氏の功績でしょう。安倍首相はメリハリと白黒をつけるタイプ、それに対して岸田氏は常に中間色で片方には寄り過ぎることはないのです。これが逆に少なくとも日本の高株価を生んだ、とみています。
株価が上昇しているのは、何のことはない、企業業績が上向いているからでしょう。なぜ企業業績が上向いたかといえば、このところの円安で輸出企業の競争力が高まって国内生産の採算性が高まったことに加え、海外投資のリターンが膨らんだからというのが本当のところでしょう。
もちろんこれらを「岸田氏の功績」とすることは、あながち外れてはおりません。為替レートを人為的にいじることは禁じ手とされており、そんなことをした日には、「為替操作国」と断じられて懲罰的関税などを掛けられる恐れもある。
ところが為替をいじる手段が一つ許されておりまして「ビナイン・ネグレクト」などと呼ばれているのですね。日本語に訳せば「優雅なる無視」とでもいうところですが、これに近い成句が「無策の策」。つまり、何もしないのが上策、というわけです。
この冗談みたいな為替政策は、2000年代の初めに米国が行って成功を収めております。この策、「責任をもって、しっかりと、検討してまいります」という奴ですから、岸田総理も十八番としそうな作戦です。今回の株高は、これが奏功したのではないかと思いますよ。大ヒットです。
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