中村仁氏の4/20づけアゴラ記事「1㌦=155円に政府の本音は『円安のほうが心地よい』」へのコメントです。
昨夜のドル円チャートは、154.65円/ドルでフラットとなっておりますが、これは、何らかの形で介入がなされたのかもしれません。まあ、通貨当局が介入するぞと発言するだけでも、一定の効果があり、必ずしも無意味というわけではないのですが。
政府の本音が「円安のほうが心地よい」というのはその通りでしょう。GDPでドイツに抜かれたといっても、経済的な困難に直面しているドイツに対して、我が国は軒並み大幅な賃上げを実現し、日経平均株価は史上最高値を更新しております。どちらの経済状況が良好かは、考えるまでもないでしょう。
「行き過ぎた投機的動き」というのは、急激な円高、円安が生じる状況を言うのでしょう。売りと買いという相異なる投機筋が対立するとこういうことが起こってしまうのですね。こういうことが起こると貿易決済に支障をきたす。だから、日銀がスピード調整をするというのは、まことに妥当な行動です。
低利の円を借りて高利のドル資産で運用する「円キャリートレード」は、為替が安定していることが前提で、円安時にこれをやることはリスクが高い。安値の円を売ってしまったら、円高に戻った時に大損してしまうのですね。逆に、更に円安が進めば利益は増えるし、キャリートレード自体が円安を招く要因でもある。でも、既に円安になってしまったら、リスクはすでに上がってしまっているのですね。
で、政府の本音が「円安のほうが心地よい」というのは、じつは理由があって、「失われた30年」の一つの原因は行き過ぎた円高にあると考えられているのですね。現在のバランスするドル円は、たぶん、175円/ドル程度にあるはずで、現在も既に日本の経済力から言えば円高に過ぎる。このレベルを超えて200円/ドルに接近した時に、いよいよ失われた30年に終わりを告げるのではないか、と私は考えております。当たるも八卦、ですが。
円安OK