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イエレン氏の心配とお気楽日本

岡本裕明氏の7/13付けアゴラ記事「やめられない、止まらない中国の製品生産と輸出:消費者金融も驚く無茶ぶり」へのコメントです。


神田氏はせめて150円は切ってほしいと思っているのでしょう。ただイエレン財務長官がつぶやいた「為替介入は稀に行うべき」という前提からすると神田氏は掟破り。アメリカは日本を為替操作監視リスト国にしていますが、円安は日本企業への影響も以前ほどではなく、輸出ドライブがかかるわけでもなし、ましてや円高にしようとするのですから監視されるのもおかしな話ではありますが。

イエレン氏が懸念しているのは、日本円の通貨危機なのではないでしょうか。通貨危機の歴史を眺めれば、その大元には無理な自国通貨高誘導がありました。

日本円は、民主党政権時代に1ドル70円台という、分不相応な円高にしてしまい、多くの産業が海外に逃避してしまった。このため、160円/$の円安になった現在も、特に国内の工場が活況を呈しているというわけでもない。そうなってしかるべきハイテク産業の多くは、すでに海外に出てしまっておりますから。

今の日本に必要なものは、行き過ぎた円高を修正するための、ある程度の行き過ぎた円安の時代を送ること。これは、物価高でドル建て賃金安を意味し、国民には痛みを伴います。でも、それは民主党時代の行き過ぎた円高時代に、フリーランチを食ってしまったツケを払うというだけの話。

165円/$というレベルは、プラザ合意時点での妥当な水準とも思われておりました。そして今の円安が、日本の産業界の実力を反映した自然なレベルである場合、無理な円高誘導は円の通貨危機を招く恐れがある。これは、日本経済への壊滅的打撃を防ぐためだけではなく、世界経済のためにも、そして、アジア地域の平和のためにも避けなくてはいけない。イエレン氏は、そう言いたいのではないかな?

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