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直接投資が少ないという大問題

小川製作所の7/14付けアゴラ記事「日本の直接投資は少ないのか?:直接投資残高の国際比較」へのコメントです。


各国とも双方向的なグローバル化が進む中で、日本だけアンバランスな状況にある事が窺えます。日本企業は積極的に対外直接投資を進める一方で、海外からの投資が少ない歪な関係性ですね。

日本の独特な商習慣、言語の壁、極端に高かった物価比率、海を隔てた立地、距離の壁など、様々な原因も考えられますが、他国と比べて異なる状況にある事は認識しておいて良いように思います。

日本への直接投資が少ないという事実は、「他国と比べて異なる状況にある事」を認識する以上に、「深刻な問題が生じている事」を認識しなくてはいけません。我が国は、投資するメリットが少ないということ。日本国内の産業は、この先、衰退に向かうであろうことを意味しているのですから。ならばまず、「なぜ」と問わなくてはいけません。

その理由を一言で言えば、何事によらず、高コストだ、ということ。賃金は高いし、物価も高い、法人税も高ければ、エネルギーコストも高い。官庁手続きは煩雑で、流通経路も複雑である。情報技術は発達しておらず、正社員を雇おうものなら簡単に首にもできず、ずっと高賃金を払うしかない。これで良く、日本でビジネスをしようという人がいると思います。世界七不思議のひとつといわれても不思議はない。

高コストの一つの原因は、かつての円高で、我が国の人件費は、一時、世界最高水準になってしまった。国内では物価安で助かった人たちも多かったのですが、ドル建てで見れば全然安くない。ドル建てでは高給取りが提供する商品が安いわけはないのですね。こちらは、昨今の円安で、正常化しつつある。この動きを邪魔しないようにしなくてはいけません。

その他の問題は、政府がきちんと対応するしかない。雇用制度の改革、行財政改革、規制緩和と競争原理の導入、等々ですね。小泉改革でちょっと動いたのですが、元に戻っております。だからやってできないことではない。やるか否かの問題です。で、やらない場合どうなるかを思えば、やるしかない。この簡単なことが、なぜわからないのでしょうか。不思議です。

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